こんにちは、名古屋こどもカウンセリングとSST教室のしらいしです。
自分自身が「友達ができない」と感じたり、保護者が「友達がいない様子で心配」と感じる方に向けて、その問題に対応するカウンセリングやSSTについて書いていきたいと思います。
その前にまずは「友達」とは何か?を知らなければなりません。
少しテーマに入るまで時間がかかりますが、この機会に「友達学」も学んでみてください。
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友達とはそもそも何か?
友達とは、
と辞書には書かれています。
友達を作ろうとすると多少でも自分のこころを相手に許す必要がありそうですね。
また対等である感覚も必要そうですね。
逆にいうと、自分のこころをひらかずに友達を作るのは難しいということです。
そして自分が優位に立とうとするとうまくいかなくなることも多いのが友達関係ですね。
友達がうまく作れないなら作れなくてもいいという考え方もありますが、園や学校において友達ができないということは、なかなか自分のこころを出す場面が少ないかもしれません。
そして一緒に話したり、遊んだりする機会が少なくなります。
お友達同士仲良く楽しい時間を過ごしているのがうらやましくなったり、自分を恥じてしまうこともあります。
他のサイトでは、
- ▷1. 損得勘定抜きで付き合えるか
- ▷2. お互いに本音を話せるか
- ▷3. 相手の幸せを純粋に喜べるか
- ▷4. 困難な時に支えようと思えるか
- ▷5. 長時間一緒に居ても苦に感じないか
- ▷6. お互いの価値観を認めあえるか
- ▷7. もしもの時に駆けつけてくれるか
- ▷8. 厳しい意見も言ってくれるか
- ▷9. 今後もずっと付き合いたいと思えるか
- ▷10. 久々に再会してもすぐに打ち解けられるか
といった書き方をしている方もいます。
これは「友達」の定義を書いていますが「真の友達」や「本当の友達」という意味で書かれています。
ですので友達の中にも「真(本当の)」か「そうでない」というカテゴリーもある方はあります。
なかなか求めすぎると相手も自分も苦しくなる場合もありますし、自然体でここまで自分がしたり、してくれる人はなかなかいらっしゃらないかもしれません。
しかし親友というお友達はこのあたりの特徴をある程度持っている感覚はありそうですね。
「真の友達」が欲しい時期や精神状態というのもあるかもしれませんね。
ハーバードの教授が考える3つの友情と必要な友達の人数
ハーバード大学のアーサー・ブルックス教授は幸せになるためには3つの友情が必要だと言っています。
①役に立つ友情(友達)・・・学校や職場での友達で取引的な友情
②楽しみを分かつ友情(友達)・・・相手から楽しさを得られる友情(相手が面白いと思えばもうこの喜びの友情である)
③完璧な友情(真の友情)・・・お互いの人生を向上させ、美徳を高め合う
これらを得るためには、人生で3人の友達がいればいいということでしょうし、一人のお友達でそれを全て兼ね備えているのなら一人でもいいのかもしれません。
そういったお友達とどれくらいかかわる時間と深さがあるかも関係してきますね。
「人生で投資すべきは人間関係でした」と語る「グッド・ライフ幸せになるのに、遅すぎることはないという本」(ハーバード大学のロバート・ウォールディンガー、マーク・シュルツ著)では、友達の人数は実際には人によって異なると言っています。
実際に必要なお友達の数はあまり必要のない人もいるし、たくさん必要な方もいるのでしょう。
それを一言で何人ということは難しいようです。
自分が幸せならそれでいいのでしょう。
それなら自分で決めてもいいでしょう。
一人の世界をたくさん楽しみたい方はそれでもいいとおもいます。
お友達との関係を求めているなら、自分より他人に目を向けたほうがお友達はかえってできるようです。
相手の事を考えてやってあげると、自分の事を考えてやってくれることの可能性は上がります。
しかし友達がほしい時は「やってほしい」が優先します。
自分が求めることを無料でやってくれる人は少ないかもしれません。
実際そんな奇特な方はすくないのでなかなかお友達ができにくくなります。
自分だけでなく、相手も考えにいれながら行動することが大切なのです。
そしてそれには少しでも心を開かなくてはなりません。
こころが開けない
一度閉じたこころを開こうと思ってもなかなか開けない時があります。
自分のキャラクター的な問題(周囲からそういう人だと思われている)でそうなっている場合は、特に難しいですよね。
なかなか変えることが難しいですが、道はあります。
自分が思っているよりも少しずつやっていく必要があります。(行けるなら一気にでもいいです)
しかしどうやればこころが開けるのかわかりませんよね。
それは別の誰でもいいのですが、心が開ける人を作るんです。
お友達じゃなくても、近所の人でも、知らない人でも誰でもいいです。
そこで心を開いていくと次第にそれが広がっていきます。
カウンセリングではこの問題に非常に役に立ちます。
心が開けない、難しい状態をまずは理解してくれている状態でスタートできます。
そしてかなりゆっくりその人のペースで会話が進んでいくことができます。
沈黙があっても、どんな話のペースでもいいんです。
まずは声を出せるだけでもいいんです。
使っていないと神経系は衰えてしまうので、使っていくと昔のような自分に、新しい自分に、出会えるようになります。
わたしも若き日にこの問題で苦労した経験があります。
孤独は本当につらい
周囲が楽しく会話している中で孤独であったり、孤立している状態で苦しむ方も多くいらっしゃいます。
ただでさえ孤独や孤立でさみしい中、周囲の目や自分自身への恥じらいなど感情的なストレス負担も強くなりやすい傾向があります。
この状態の方は、親に言えなければスクールカウンセラーや相談しやすい大人に恥ずかしいかもしれませんが、相談してみてください。
難しければ私でもいいです。
子供にとっては「生き地獄」と感じるくらい強いストレスなのです。(障害で認知的に心労がない場合もあります)
人によっては死にたい(希死念慮)と思う気持ちが出る場合もあります。(その場合は、気にせずお電話ください。いのちSOS0120-061-338やいのちの電話0120-783-556などの公的な無料サービスもあります)
その場合は、第三者の介入が必要な場合があります。
誰かが何かをしても変わらないと思うこともあるかもしれませんが、実際はできることがたくさんあります。
人生は絶望の淵にいると「もうなにをやっても意味がない」という無力感と絶望を感じますが、その場所が変わると「なんであんなに悩んでいたんだろう」とけろっと人格が変わったようにこころも変わっていきます。
ぜひこの感覚を味わってください。
孤独が変わらなくても「孤高」を目指す人もいます。
一人で楽しめという時期だ!と肯定する方もいます。(そうしたら自然と友達はできていったようです)
自分なりの解決への道や糸口があると思います。
それはたくさんの選択肢があることが見えていない場合があります。(まずは第三者の大人に相談してみてください)
友達を作るには何が必要か?
いろいろな観点で書いていきましたが、まとめると友達を作るには、
- 相手に心を開く(自分をみせる)
- 相手とだいたい対等な感覚(支配や優位に立とうとしない)
- 相手の楽しいところや良いところに気付く
- 自分ばかりフォーカスしない(自分の求めるものを求めすぎない)
- 相手が楽しいと思う会話やコミュニケーションを与える
- 一緒に楽しめるものをみつけて実行する
- 相手が得だなと思う情報や行動を与えることもする
- 相手を高める言葉や行動ができる
などが必要になるということですね。
よくみてみると「相手」という言葉がよくでています。
やはり問題は「自分」をみすぎていることになりますね。
でも自分をみてしまいますよね。
自分を楽しませてほしいし、自分の好きな話をして盛り上がりたいですよね。
そのテーマが一致する人が多ければいいのですが、レアなテーマであればなかなか難しいものです。
カウンセリングでは、この「自分」をみすぎる理由にフォーカスしたり、相手と楽しめない理由にフォーカスしてそこを解消していくようにセッションが進みます。
ある程度行えると身軽になって視野が広くなります。
遺伝的な社交性と独自のもの
この友達を作るための社交性も遺伝の影響を受けるといわれています。
平均的には約50%の影響を受けるといわれています。※まったく社交性が似ていない場合もあります
ですのでご自身の親の社交性を考えてみると似ているところがあったりします。
できるのであればその親に聞いてみてください。
- 自分と同じ年のころは友達はいたか?
- どんなきもちだったか?
- どうとらえたらいいか?
- どう乗り越えたか?
- いつ頃になったら人生が開けてきたか?
参考になる可能性が約50%くらいあるかもしれません。
聞いたら教えてくれる親もいますが、話を聞けるような家庭ではない場合や聞いても素直に話してくれない人もいます。
できるだけ遺伝的なものは子供に「話してあげる」ほうが良い場合があります。
親はどうしても「遺伝させた罪悪感」を感じやすいものです。
遺伝させたくないのに遺伝してしまうものは多くあります。
遺伝子はそんな気持ちをくみ取らず、種が残せた性格なのでその要素を受け継ぐように遺伝してしまいます。
ですが子供側の視点で言えば、「おかあさんもそうだったんだ」「おとうさんもそうだったんだ」とわかれば楽になる場合も多くあります。
それで楽になって、自分を責めることが減ったり、勇気をもらうこともあります。
どのように話せばいいかはカウンセリングでもお伝えしています。
発達障害や知的障害のケース
発達障害や知的障害のケースでは、「興味」というところにキーワードがあります。
そのお子様が外の世界によりも人よりも「もの」や「自分の世界」に興味があるとなかなかお友達遊びがうまくいきません。
また相手の気持ちが推測できない、わからない特性があれば人間関係で問題が起きやすく、一人遊びのほうを選択してしまうケースもあります。
療育では、この興味をうまく利用して人に興味を持つ、人って楽しいという視点を持ってもらえるように支援しています。
これが一番重要な点になります。
また相手の気持ちはSSTにて対応しています。
詳しくは直接お聞きください。
4つの方法から考える「友達ができない(友達がいない)」への対応
当施設では下記4つの方法から相談されるクライアントに最適な手段を組み合わせて、改善のサポートを行っております。
①カウンセリングによる対応
カウンセリングでは、お子様や保護者さまと話す中で、苦しい気持ちが癒えたり、問題の重要な原因やポイントが明らかになっていきます。
会話だけでその問題がクリアできるものであればそのまま進んでいきますが、トレーニングや環境設定などが必要であればそちらへ移っていきます。
友達ができない理由をみつけてそこに対処するためにはカウンセリングがメインになってくることが多いと思います。
気持ちを表に出しながらひとつひとつ自分を理解しながら進んでいく中で心が軽くなり、新しい気持ちが出るスペースが開いていきます。
そして新しい行動へ結びついていきます。
ご家族の協力や関係性の再構築が必要な場合はそれも検討していきましょう。
保護者の方は先に子供さんの相談でもいいですし、お母さんお父さんの苦しみや不安を先に話しながら進めていくのも良いです。
②SSTによる対応
SST(ソーシャル・スキル・トレーニング)では、どのようにすれば他者とよい関係を結べるか、その問題や大変さが改善するかを学ぶことができます。ただ学ぶだけでなく、学んだ後は実践形式で体験していきます。人数がそろえば集団でも行うことができますし、外部環境に出て練習することもできます。
お友達とどのようにかかわればいいかを実践形式で学ぶことができます。
その練習を実践形式で自分を理解してくれている先生と行います。
慣れてくると実生活でも使いやすくなります。
その心の開き方やコミュニケーションを広げていきます。
③ストレスマネジメントによる対応
ストレスマネジメントでは、生きづらい原因となるストレスを特定して、ストレスをできるだけ減らしていきます。またストレスからの回復力が弱いケースでは、それを強めるためのセッションや資源を活用します。捉え方を変えていくことによってストレスの強度が変わったり、発散する方法が増えるとストレス許容量が変化したりします。
原因のなかにストレス耐性や回復力などに問題を抱えている場合は、それを強くするための学習と練習を行います。
孤独や孤立があれば特に重いストレスを持つことが多いので、このスキルは大切になります。
④療育による対応
幼児などの療育では、友達ができない原因に対する課題を設定したり、必要に応じて
- 自分のやりたいことをやる時間と合わせる時間の切り替え
- 自分の気持ちや要求を伝える練習
- お友達のかかわり練習
- 不器用さであれば、手の巧緻性のトレーニングを
- 眼球が動きにくいのであればビジョントレーニングを
- 運動がうまくいかないのであれば運動療育やボディーイメージを
- 受け流す妥協トレーニングを
- 一緒に遊ぶのが苦手な場合は、遊戯療法を
- 意見が言いにくい場合はディスカッションレッスンを
- 会話がうまくできないなら会話の練習を
などそれに付随するスキルに関して改善するように課題を設定していきます。
どのアプローチで進めるかは話しながら一緒に決めていきましょう!
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