こんにちは、名古屋こどもカウンセリングとSST教室のしらいしです。
「繊細(せんさい)すぎて疲れる」と感じたり、保護者が「うちの子、繊細すぎて心配」と感じる方に向けて、「繊細さ」と対応するカウンセリングやSSTについて書いていきたいと思います。
※かんじがよめないおこさまやおんせいでききたいばあいは、こちらのぶんしょうをクリックしてください。(音声読み上げ案内)
「繊細さ」を持つお子様の特徴
「繊細さ(英語:Sensitive)」を持つお子様の性格的な特徴として、
- 気にしやすい
- 細かいところにも注目したり、気にしてしまう
- 人の態度や言葉、表情に敏感
- 傷つきやすい
- 刺激を受け取りやすい
- 落ち込みやすい
- 落ち着かない人や場所が多い
- 打たれ弱い
- 心配しやすい
- 初対面が苦手傾向
- 行動が慎重になりやすい
- 相手のことを考えてしまう
などがあります。
人によってどの特徴が強いか弱いかは異なりますし、完璧主義やネガティブ思考などもその方によって違いがあります。
繊細さを持つ人は、人一倍気にしますし、人のことも気になります。
気にするということは、その分の「気にするストレス」も自分のうちに持ってしまうのでストレスを感じやすかったり、気疲れしたり、落ち着ける場所がなくて普通の人よりしんどい思いをすることがあります。
繊細さの反対の性格は、「無神経」になります。
無神経な人は、一般的に気にすることも気にしなかったり、人のことも気にしない傾向があります。
無神経な人は、気にしないのでストレスを感じにくく、想いや興味をもとに突き進んでいくことができます。「ああいう性格だと楽でいいだろうなあ」と思う方もいますが、人の気持ちを理解しにくい傾向があり、人の気持ちを踏みにじるような行為が増えてくると問題が発生し、そこに向き合わなくてはなりません。
どちらもある意味では大変ですね。
このように考えていくと「繊細さを持つ人」はさまざまなストレスを感じやすいですが、
- 気にできるので変化に気付きやすい観察力がある
- 優しく穏やかな方が多い
- 人の気持ちを考えられる人が多い
- 人の痛みが分かる人が多い
という素敵な能力を持つことにもつながります。
ただその「繊細さ」によって人生で苦労が多い場合は、ポジティブになかなか捉えることができないかもしれません。
HSC(HSP)と繊細さ
HSP(HSC)という言葉をご存じでしょうか?
HSP(Highly Sensitive Personの略名)とは、非常に繊細で、感受性が強く、敏感な気質をもった人という意味で、アメリカの心理学者エレイン・アーロン博士の研究によって提唱された概念です。
子供の場合は、Highly Sensitive Childと表記し、一般的に「HSC」と呼ばれています。
病気ではなく特性として紹介されました。
このアーロン博士は、「人類は大胆派と繊細派がいて生き延びてきた」と述べています。
アーロン博士によるとHSP(HSC)には、「DOES(ダズ)」と名付けた4つの特徴があり、この4つ全てに当てはまる人がHSP(HSC)気質を持つと定義しています。
①物事を深く考える(Deps of processing)
②過度に刺激を受けやすい(Being easily overstimulated)
③感情の反応性が強く、共感性が高い(Being both emotionally reactive generally and having high empathy in particular)
④物事を繊細に感じる感受性が高い(Being aware of subtle stimul)
HSP(HSC)かどうかに限らず、自分やお子様の「繊細さ」をうまく扱えるようになるといいですね。
自分の繊細さがとてもつらい
自分の繊細さによって強いストレスを持続的に背負うケースには注意が必要です。
傷ついて落ち込んだり、気になって考えすぎたり、不安になって引っ込み思案になったり、負のループから抜け出せなくなるケースもあります。
誰かに相談できたらいいのですが、1人心の中で悶々と苦しむこともあります。
人は思考の中でも苦しめるので余計に辛いんです。
家族が話を聞いてくれるご家庭もあれば、逆にこの性格的特徴を責め立て、余計につらい思いをすることもあります。
当施設でもいいですし、相談できそうな近くの大人に相談してください。
自分や子供の繊細さは変わらないのか?
繊細さは一生変わらないのでしょうか?
大人のみなさんはわかる方が多いと思いますが、子供の頃と比べると変わってきているものもたくさんあるのではないでしょうか?
また年齢によって繊細になるところに変化が出てくることもあります。
- 積み重ねて経験していったことにより変化したもの
- こんな人になりたいと思って人生を生きていたらいつの間にか変わった
- お友達の影響を受けて変わった
- 部活や趣味で変化してきた
- 年齢に従って変わってきた
- 親になって変わった
- 社会人になって変わってきた
人間はひとりで生きていないですし、多くの人から影響を受けます。
良い影響を受けて自分なりにちょうど良い形にしていけたらいいですね。
4つの方法から考える「繊細さ」への対応
「繊細さ」はそのままを活かすという考え方と改善させていくという考え方2つを持つことができます。
そのまま活かすにはうまく受け入れないといけません。
改善するには、いろいろ手段がありますね。
当施設では下記4つの方法からクライアントに最適な手段を組み合わせて、改善のサポートを行っております。
①カウンセリングによる「繊細さ」への対応
カウンセリングでは、お子様や保護者さまの繊細さを話していただきながら、苦しい気持ちが癒えたり、問題の重要なポイントが明らかになっていきます。
それが会話だけでクリアできるものであればそのまま進んでいきますが、トレーニングや環境設定などが必要であればそちらへ移っていきます。
繊細さは自分の生きる姿勢やどんな人生を歩みたいか、などとも連動したりしますのでその辺りもテーマになることが多いですね。
②SSTによる「繊細さ」への対応
SST(ソーシャル・スキル・トレーニング)では、どのようにすれば他者とよい関係を結べるか、その問題や大変さが改善するかを学ぶことができます。
ただ学ぶだけでなく、学んだ後は実践形式で体験していきます。
人数がそろえば集団でも行うことができますし、外部環境に出て練習することもできます。
繊細さを実際にトレーニングとして鈍感にしていくことや無神経さを少し練習していくこともあります。同じ苦しみを持つ者同士でSSTを行う機会があれば、また見え方やとらえ方も変化してくるかもしれません。
③ストレスマネジメントによる「繊細さ」への対応
ストレスマネジメントでは、生きづらい原因となるストレスを特定して、ストレスをできるだけ減らしていきます。
またストレスからの回復力が弱いケースでは、それを強めるためのセッションや資源を活用します。
捉え方を変えていくことによってストレスの強度が変わったり、発散する方法が増えるとストレス許容量が変化したりします。
繊細さの一番苦しいところから最優先に改善していきます。
落ち込みや落ち込みからの脱却が一番苦しいのであればそこをどうすれば良いか一緒に考えて実際の生活に活かしていきます。
④療育による「繊細さ」への対応
療育の課題によって生きづらさを軽減していく方法です。
- 不器用さであれば、手の巧緻性のトレーニングを
- 眼球が動きにくいのであればビジョントレーニングを
- 運動がうまくいかないのであれば運動療育やボディーイメージを
- 一緒に遊ぶのが下手な場合は、遊戯療法を
- SSTもこの療育の中で行う場合があります
- 意見が言いにくい場合はディスカッションレッスンを
など問題になっているところとそれに付随するスキルに関して改善するように課題を設定していきます。
繊細さを療育でトレーニングするためには不快感を受け入れていく課題や図太さの行動をモデリングすることも必要に応じて行います。
まずは話しながら一緒に決めていきましょう!
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