しらいし先生
しらいし先生

こんにちは、名古屋こどもカウンセリングとSST教室のしらいしです。

「学校恐怖症」という言葉はあまり聞き覚えはないかもしれませんが、ただのわがままだとか甘えだけでは説明できない、学校へ行けなくなる恐怖症状になります。

学校への恐怖で悩まれるお子様とご家族に向けて、その問題に対応するカウンセリングやSSTについて書いていきたいと思います。

※かんじがよめないおこさまやおんせいでききたいばあいは、こちらのぶんしょうをクリックしてください。(音声読み上げ案内)

学校が怖い「学校恐怖症」


学校恐怖症とは、対人恐怖などによる影響によって学校への恐怖感情が強くなり、行き渋りや登校拒否、不登校につながってしまうよう症状です。

不登校の中には学校恐怖症を持っている方もいらっしゃいますし、不登校になっていなくても学校恐怖症の症状を感じる方もいます。

実際の症状としては、

  • 朝が起きられない
  • 頭痛や吐き気
  • 腹痛やおなかの症状
  • 睡眠障害
  • だるさ、倦怠感
  • 不安や恐怖を強く感じる
  • いらいらする
  • 集中力の低下や学習意欲の低下
  • 孤立感が強くなる
  • 重度になると心を閉じてしまう

などの体調の不良が挙げられます。

実際にこの「学校恐怖症(英語:school phobia)」という言葉を発表したA.M.ジョンソン氏によると学校恐怖症は3つの時期に分けられるといいます。

心気症の時期

登校前から身体的な症状を訴えます。

午前中は症状が重く、午後や学校が終わる時間から症状が軽くなる傾向があります。

学校へ行こうと意欲が高まる時間帯もありますが、登校前にはまた行きたくない気持ちや拒否感が強まります。

強い抵抗とパニック期

ストレスが限界に達して、激しい抵抗やパニックを起こします。

大きな声を荒げたり、暴力や暴れることも増えていきます。

自閉期

恐怖から人とのかかわりが減り、自分の世界の中に閉じこもる時間が増えていきます。

ゲームやユーチューブ、インターネットの世界に没頭することが多くなる傾向にあります。

学校が怖くなる理由と原因


学校が怖くなる理由や原因として、

  • 母子分離や愛着形成の問題
  • 対人コミュニケーションの苦手さ
  • ストレスへの脆弱性
  • 家庭内の問題
  • トラウマ
  • 他の恐怖症の影響
  • 学業の問題
  • HSPなどの特性の問題

などがあります。

1.母子分離や愛着形成の問題

母子分離が苦手で、いまでも親についてきてほしいといったタイプのお子様では、学校が安全で安心できる場所にはならないことが多くあります。

そうでないかたでも学校は安心で安全な場所と認識できる人は少ないかもしれませんが、このタイプの方は特に不安や恐怖を感じやすくなります。

またうまく愛着を形成できず、精神的に安心感や安定感が少ない方も恐怖症や不安症が起きやすくなるといわれています。(養育の問題ではなく遺伝的な問題の場合も含む)

2.対人コミュニケーションの苦手さ

うまく友人関係が作れたり、楽しいお友達の時間が作られればいいのですが、難しい方もいます。

そういった場合には、放課の時間などがおっくうになった孤立感や孤独感が強くなり、心を余計に閉ざし、うまくコミュニケーションができる状態から遠ざかってしまうことがあります。

SSTなどを利用して練習したり、なぜこんなにうまくできないかを理解することによって、上達していきます。(コミュニケーションは積み重ねなのである程度当人の求めに応じて上達します)

3.ストレスへの脆弱性

脆弱性(ぜいじゃくせい)とはもろさのことです。

ストレスに対してすぐに傷ついてしまう、深く落ち込むといった特性がある場合、対人関係はストレスのだらけになってしまいます。

またギャグやジョークといった理解ができるかどうかもこの脆弱性とかかわる場合があります。

この脆弱性も自己理解と受容、心理的なトレーニングによって耐性を強めることができます。

4.家庭内の問題

家庭の中での問題によって自分自身も不安定になり、学校にいくことが怖くなることもあります。

安心で安全であるべき家の中が不安定ですので家族の協力が必要になります。

5.トラウマ

  • あの出来事があってから
  • ○○といわれて
  • あの人から○○されて
  • また思い出してしまう○○

といったトラウマになるような出来事に遭遇し、それから学校に行くことへ恐怖感が出ることがあります。

その出来事がしばしば思い出される(フラッシュバック)場合は、トラウマとして治療が行われることがあります。

6.他の恐怖症の影響

  • おならがでたらどうしよう(おなら恐怖・IBS)
  • もらしたらどうしよう(尿意恐怖・便意恐怖・IBS)
  • また嫌なこといわれたらどうしよう、そう見られたらどうしよう(対人恐怖)
  • 発表の時に赤面・緊張したらどうしよう(赤面恐怖・緊張恐怖)
  • パニックになったらどうしよう(パニック障がい)

などほかの恐怖症や症状の影響で学校が怖いと感じることが強まることがあります。

またこれらは通学時の電車などへの恐怖が強めることがあり、電車に乗れないことから学校へ行けなくなることもあります。

7.学業の問題

  • 勉強がなかなかついていけなくて苦しい
  • できない自分が許せない
  • 嫌なのにやらないといけないので気持ちがうまくついていかない
  • 親の期待に応えられない
  • 競争が怖い

といった学業の悩みから勉強の恐怖や嫌悪感、そして学校への恐怖や不安に発展することがあります。

8.HSPなどの特性の問題

繊細で傷つきやすく、共鳴しやすいHSP傾向が強いお子様はストレスを感じやすくなることがあります。

それによって許容量を超えてしまい、パニックや不安、恐怖症に発展してしまう場合もあります。

また特性によって恐怖症を感じやすくなる方もいます。

もともと不安が強い、怖がりな性格などです。

こういったところも大人になるにつれ、心理的なトレーニングなどで耐性がつくようにすることができます。

発達障がいや感覚過敏のお子様も恐怖症を持つ場合もあります。

4つの方法から考える「学校恐怖症」への対応


当施設では下記4つの方法から相談されるクライアントに最適な手段を組み合わせて、改善のサポートを行っております。

①カウンセリングによる対応

カウンセリングでは、まずはその怖さや苦しいお気持ちをお聞きしながらも

  • 何が学校が怖いと感じる理由や原因になっているか
  • どのように要因が絡み合っているか
  • 自分の外の問題と中の問題はそれぞれどうか
  • それは理解できていたかどうか

などを一緒に話しながら、怖くなってしまった理由について理解を深めます。

理由はひとつだけではなく、複雑に絡み合っていることも多くあります。

それらの原因や要因がわかってきたらそれを解消するように進んでいきます。

恐怖症は恐怖の正体が見えてくると心理的に安心しやすくなる場合があります。

また恐怖症は、怖いものを克服するだけでなく、本来の自分の状態へ回復していくような手順も重要になります。

まずは自分の気持ちを解放し、力がみなぎってきたら向き合うほうが良いケースが多いですね。

向き合う場面でも少しずつ簡単に進められるスモールステップで少しずつ変化を促していきます。

恐怖症はある程度克服できてくると、

「なんであんなに怖がっていたんですかね」

といった、人ごとのような感想や感覚が出てくることが多いものです。

その領域に来たらあと少しです。

ストレスマネジメントなども学んでおくと今後の人生で悩みが少なくなります。

②SSTによる対応

SST(ソーシャル・スキル・トレーニング)では、どのようにすれば他者とよい関係を結べるか、その問題や大変さが改善するかを学ぶことができます。ただ学ぶだけでなく、学んだ後は実践形式で体験していきます。

お友達との関係性で問題を抱える場合では、このSSTを活用する場合があります。

どのようにかかわればいいかを実践的に学ぶことができます。

それも最大の理解者であるカウンセラーが行うので安心できる土壌で練習できます。

③ストレスマネジメントによる対応

ストレスマネジメントでは、生きづらい原因となるストレスを特定して、ストレスをできるだけ減らしていきます。またストレスからの回復力が弱いケースでは、それを強めるためのセッションや資源を活用します。捉え方を変えていくことによってストレスの強度が変わったり、発散する方法が増えるとストレス許容量が変化したりします。

負の連鎖になっている思考法を変化させることで、ストレスがたまった時の回復力や脱却の仕方を身につけることができます。

④身体的アプローチ

学校への恐怖や不安で自律神経が乱れているような方はこの方法も併用すると有用な場合があります。

力が抜けるリラックス状態を思い出す、リラックスできる状態を日常に作ることを促すことができます。

身体が防衛反射で硬直していたり、防衛反射が強い場合も少しずつ解除していくことで昔のような柔らかい身体へ変化をもたらすことができます。

自律神経系が安定してくると日常の行動のしやすさや睡眠へ良い影響をもたらしてくれます。

ただこの安心できる身体は安心できる精神を作ることも大切になりますのでカウンセリングとの併用が推奨されます。

心理面と身体面の両面で行えると相乗効果が見込めますね。

しらいし先生
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どのアプローチで進めるかは一緒に考えていきましょう。

名古屋こどもカウンセリングとSST教室のご案内


当教室では、直接面談して行う方法と電話やオンラインで行う方法の二つからご相談を承っております。

初回10分無料相談がお電話で行えます。(直接お電話してもらっていいですが、お電話が取れないときもありますのでご了承ください)

これはミスマッチ防止のため、本当に求めているものと合致できるかを判断するものとしてサービスとして行っています。

基本的なご利用料金は「個別セッション(約55分フィードバック含む)6000円」になります。

面談できる場所は2025年4月に開室予定です。

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