しらいし先生
しらいし先生

こんにちは、名古屋こどもカウンセリングとSST教室のしらいしです。

「人前でうまく話せない(緊張する)」と悩んだり、保護者が「子供が人前でうまく話せないようで心配」と感じる方に向けて、その問題に対応するカウンセリングやSSTについて書いていきたいと思います。

※かんじがよめないおこさまやおんせいでききたいばあいは、こちらのぶんしょうをクリックしてください。(音声読み上げ案内)

人前でうまく話せない(緊張する)気持ちと理由


人前で話す場面には、

  • 先生にあてられて立って話す
  • みんなの前に立って発表する
  • 質問に答える
  • 意見交換やグループでの話し合いにうまく参加できない

などがあります。

1対1ではなく、1対大人数といった状況に苦手さを感じる方も多くいます。

  • 緊張する
  • 言葉が出ない
  • いろいろ気になってしまって話せない
  • 恥ずかしい
  • 体がこわばる(かたまる)
  • 慌てる(焦る)

など普段では出ないような身体症状や気持ちの変化が表れ、うまく話すことができません。

まれに人前で話すとイキイキするような得意な方もいますが、苦手な方のほうが多いのではないでしょうか。

その中でも特に苦手さを抱える方々がいます。

  • 緊張が強すぎてうまく話せない
  • 頭が真っ白になって言葉が出ない
  • みんなの顔や目が気になってうまく話せない
  • 恥ずかしくなってうまく言葉がでない
  • 体がこわばってうまく声が出せない
  • 焦ってしまって噛んだり、変な雰囲気になってしまう

などの特徴をお持ちの方は、その苦手さからうまく話すことができず、余計に身体症状や心理症状が強くなり、またうまくいかないといった負のサイクルを繰り返してこころも疲弊してしまうことがあります。

人間が持っている危険サインと防御反応

人間の体には危険な場所に対して防衛反応が出るシステムが備わっています。

それは進化してきた中で、

  • 戦うために筋肉を緊張させる
  • 逃げるために筋肉に力が入るようにする
  • 敵に見つからないように体を凍り付かせる(フリージング)

などの防衛反応を獲得してきました。

この「人前」という場面も安心安全な現代において人によっては「危険」な場所に判断してしまうこともあります。

人間は社会を形成する社会的な生物です。

社会から見放される、社会から追放されることは死を意味するくらいの感覚を無意識的に持っているのかもしれません。

ですので人前である大多数の人の前では失敗することや恥をかくことを多くの人は嫌います。

そのためその失敗や恥さらしを露呈してしまう場面は「危険」判定が無意識的についてしまうのかもしれません。

この無意識というのは不思議で、この場所はなんか安心するな、苦手だなと感じることなども含まれます。(この機能は実際にはニューロセプションといいます)

なぜそんなに「人前」や「みんなの前」を危険だと感じるのか?


「人前」や「みんなの前」を無意識的に危険だと感じる方々には、様々な理由とその裏にある思いがあります。

  • 皆に嫌われたくない
  • ダメな自分をみせたくない
  • イジられたくない(いじめが嫌だ)
  • 笑われたくない
  • できる自分を見せないといけない
  • 完璧に言えないといけない
  • 緊張してはいけない
  • プライドが許せない
  • 見られるのが苦手(注目されるのが苦手)
  • 自分をダメな人間だと思い込んでいる
  • また失敗するとやる前から思い込んでいる
  • みんなのようにうまくできないと比較してしまう

などいろいろな思いや思い込みがあります。

この理由になる部分が変わるとフッと力が抜けてできるようになる場合もあります。

目標設定が高すぎる人も多くいます。

「緊張しないで発表したい」といったゴールです。

これでは逆に緊張しやすくなる方もいます。

緊張している自分に焦って緊張を追加してしまうので。

また遺伝子的な問題もあります。

現代の私たちは「切腹(せっぷく)」をしませんよね。

※切腹とは昔の日本でおなかを切って自害することです。

昔の日本では不始末を起こした場合、不名誉な行為を起こした場合に腹を切って自害することで名誉を保とうとした文化を持っています。

それほど人の目を気にする文化背景を持っています。

それほど社会的に不名誉なことを避けようとします。

そのため恥じらいも強い遺伝子が多いですし、失敗を恐れるファクターも強いのだと思います。

切腹だけではないですが、遺伝子的に「人前で話すこと」が苦手な要素を引き継いでいることがあります。

全部自分だけの問題にしている方はそういった背景を知ることで自責が減り、少し楽に動けるようになることもあります。

また遺伝子が問題でも今その遺伝子を引き継いでいる方の視点や行動が変化することで遺伝子的な変化が生むことは可能です。

脳神経系は可塑性(かそせい)を持っています。

よく使われるものは使いやすく神経系が発達し、あまり使わないものは使いにくく減退していきます。

この仕組みを利用して成功体験を踏んでいけば、ある程度の目標が達成する日が近づいていくでしょう。

自分の「人前でうまく話せない理由」を知ろう


自分の理由や原因となるところは少しでもみえてきたでしょうか?

理由がわかってきたらそこを調整していくことで少しずつ変化が生まれていきます。

  • なんで自分はこうなんだ
  • なんで自分はこんなにダメなんだ

こういった「なんで自分は~」とくると自分を責めることにつながります。

それによって奮起して立ち上がれるならいいのですが、自分を責め続けて苦しくなり、うつうつとする場合はなにかしらその思考方法を変化させていくことが必要になります。

でも考え方を変えようと思っても染み付いた負の連鎖の思考法からなかなか抜け出せないこともあります。

自分でいろいろ調べて試していく手順もありますが、専門家に相談すると非常に速く的確な手順で負の連鎖から脱却できると思います。

自分のうまく話せない理由に関してのアプローチもたくさん行うことができます。

一人でやってみても難しい場合は、専門家と一緒にやってみるといいでしょう。

4つの方法から考える「人前でうまく話せない(緊張する)」ことへの対応


当施設では下記4つの方法から相談されるクライアントに最適な手段を組み合わせて、改善のサポートを行っております。

①カウンセリングによる対応

カウンセリングでは、まずは苦しい気持ちをお聞きしながらも

  • 何が人前でうまく話せないことの理由や原因になっているか
  • ゴール設定はどうなっているか

などを聞き取りながら、「それが理由でこんなにうまく話せなかったのか」と理解につなげていきます。

次にうまく話せない理由や原因に対してアプローチを行っていきます。

人によってアプローチするところが異なり、またその方法自体も違うことがあります。

うまくアプローチできると力がフッと抜ける感じが出てきます。

本番の人前に出た時もいつもより少しリラックスした状態が徐々にでてくることもありますが、本番での行動も大事になります。

このあたりは事前に予行練習しておくので少し安心できるかと思います。

ゴール設定も間違うと逆効果になりやすいのがこの悩みの特徴でもあります。

その方に合ったゴール設定をすることで力が抜けやすくなります。

保護者の方で同じ悩みを持たれている場合は、一緒に取り組むこともできます。

②SSTによる対応

SST(ソーシャル・スキル・トレーニング)では、どのようにすれば他者とよい関係を結べるか、その問題や大変さが改善するかを学ぶことができます。ただ学ぶだけでなく、学んだ後は実践形式で体験していきます。

人前で発表する実際の機会をつくることができます。

それも安心できる状態からはじめて、少しずつレベルアップするようにスモールステップで組むこともできます。

なぜこんなに反応するかを心理師と一緒に行うことでその場で理解できるので、その場で納得したり、感情が軽くなったりする反応を得ることができます。

同じ悩みを持つ方がいる場合は一緒に行う機会を作ることもできます。

③ストレスマネジメントによる対応

ストレスマネジメントでは、生きづらい原因となるストレスを特定して、ストレスをできるだけ減らしていきます。またストレスからの回復力が弱いケースでは、それを強めるためのセッションや資源を活用します。捉え方を変えていくことによってストレスの強度が変わったり、発散する方法が増えるとストレス許容量が変化したりします。

負の連鎖になっている思考法を変化させることで、ストレスがたまった時の回復力や脱却の仕方を身につけることができます。

④身体的アプローチ

緊張しやすい身体である場合、その緊張がなかなか改善しない場合もあります。

その場合、身体的なアプローチが有効な場合があります。

力が抜けるリラックス状態を思い出す、リラックスできる状態を日常に作ることを促すことができます。

身体が防衛反射で硬直していたり、防衛反射が強い場合も少しずつ解除していくことで昔のような柔らかい身体へ変化をもたらすことができます。

また人前で話す場面を想像して緊張しているところに直接的な身体アプローチを行うことで体に学習を促すことができます。

心理面と身体面の両面で行えると相乗効果が見込めます。

しらいし先生
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どのアプローチで進めるかは一緒に考えていきましょう。

名古屋こどもカウンセリングとSST教室のご案内


当教室では、直接面談して行う方法と電話やオンラインで行う方法の二つからご相談を承っております。

初回10分無料相談がお電話で行えます。(直接お電話してもらっていいですが、お電話が取れないときもありますのでご了承ください)

これはミスマッチ防止のため、本当に求めているものと合致できるかを判断するものとしてサービスとして行っています。

基本的なご利用料金は「個別セッション(約55分フィードバック含む)6000円」になります。

面談できる場所は2025年4月に開室予定です。

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