こんにちは、名古屋こどもカウンセリングとSST教室のしらいしです。
この記事では「こどものストレスマネジメント」について書いていきたいと思います。
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「ストレスマネジメント」とは何か?
ストレスマネジメント(英語:Stress Management)とは、自分に負荷がかかるストレスに対してうまく管理(マネジメント)を行っていく方法です。
近年ではストレスとうまく付き合っていく技術も必要なスキルとなってきており、この「ストレスマネジメント」の能力をあげていくことが求められてきています。
そのため「小学生のためのストレスマネジメント」といったように早期教育を行っているところも出てきています。
ストレッサーとは何か?
ストレスの原因になるものをストレッサーといいます。
ストレッサーには、
- 人間関係や家庭の問題などの心理ストレッサー
- 体調不良や睡眠不足、病気などの生理的ストレッサー
- 気温や室内環境などの物理的ストレッサー
- 食品や大気汚染などの科学的ストレッサー
- 天候や災害、ウィルスなどの環境的ストレッサー
などがあります。
私たちが想定しているよりも多くの影響を外部や身体から影響を受けて生きています。
ストレスの原因のストレッサーは、ストレスになる人もいればそうでない人もいますよね。
自分がどのストレッサーが負担になっているかを知る必要があります。
ストレス耐性
どれだけのストレッサーが自分のストレスになっているかを知るだけでけではなかなかマネジメントはうまくいきません。
自分のストレスに対する対応力である「耐性」がどれだけあるかも重要になります。
- 自分への自信や肯定感、自分はできるんだという効力感、モチベーション
- ストレスを溜めておける容量
- 過去に受けたストレス経験から活かせる手段がどれくらいあるか
- ストレスを感じやすい性格や捉え方(気にしない能力や気にして考え込む性格など)
- ストレスを発散したり、相談したりする能力
- ストレスを良い方向に捉えることができる「転換能力」
- 睡眠や身体的な行動特性
などが影響します。
これらが複合的に重なってストレス耐性になります。
うまくできていないところを学びなおしたり、変化させることで耐性をあげていくことができます。
一般的には年齢が増えていくたびに経験も増え、この能力は上がっていきますね。
また時代的な難しさもあります。
近年では、ストレスの少ない快適な環境や叱らない教育傾向など子供にやさしい対応がとられています。
これはとても良いことですが、一方でストレス負荷の耐性が身につきにくかったり、怒られることへのストレスを感じやすくなってきているようです。
時代的にもストレスマネジメントは習得しといたほうがいいですね。
ストレスレジリエンス
レジリエンス(英語:resilience)とは、ストレスを跳ね返す力であったり、自分の良い状態を作る力である「回復力」といった意味があります。
ストレスに対するレジリエンスがどれだけあるかもマネジメントにとって重要になります。
- 自分は実現できると思える自己効力感
- 気にしない、忘れてしまう楽観力
- 落ち着きをつくる感情調節力
- 理性的にコントロールする衝動調節力
- 原因を分析する原因分析力
- 友人に助けを求めたり、遊んで発散する交友力
- 他者に対する共感性※相反する場合もある
- 希望を見出すポジティブシンキング
- 働きかける能力のリーチアウト力
- 自分の心や体をいたわるケアする力
などがストレスレジリエンスに関係しているといわれています。
レジリエンスが高まることでストレス耐性も強くなっていきますし、回復力も高まります。
詳しく学びたい方はこちらで紹介しています。「ストレス・レジリエンス」知っていると役に立つ心理学
コーピング
コーピング(英語:coping)とは、ストレスの問題に対処する力です。
- 原因のストレッサーを避ける・やめる
- 考え方やとらえ方を変える
- 休む・リラックスする・発散する
- 相談する・話を聞いてもらう
などの対応をしていくことで対処の手段も広がり、ストレスを受けにくくしたり、回復を早めてくれます。
意外かもしれませんが、人に相談できるほうがストレスコーピング能力が高いとされています。
詳しく学びたい方はこちらで紹介しています。「ストレスコーピング」知っていると役に立つ心理学
マネジメント
今まで説明してきました
- ストレッサー
- ストレス耐性
- レジリエンス
- コーピング
のどこに問題や課題があるかを理解し、必要なマネジメント方法を学び、修正と改善をしていくことでストレスへの対応力が身についていきます。
当教室では、座学で学ぶこともしますし、SSTとして行動練習をして身につけていく行動学習も行っています。
上記以外の性格的なストレスに対する弱さである「脆弱性(ぜいじゃくせい)」がある場合に対してもカウンセリングやSSTなどで対応することができます。
お子様だけでなく、ご家族も一緒に受けられる場合もあります。
学んでいけば、また新しい感覚を得ることができます。
子供のストレスマネジメントとは?
では「子供」に対するストレスマネジメントと大人に対するものでは何が違うのでしょう?
まず認知力という壁があります。
認識できる語彙や言葉、文章的な理解、人の気持ちや自分の気持ち、心の経験値が少ないためできることが限られる場合があります。しかし年齢が上がってくると大人に近い認知力もありますし、年齢で分けれないほど人による場合もあります。
まずはお子様やご家族と一緒に「どこに課題があるかを理解していく」ところから始めます。
原因があればそこから対処していきますが、原因がわからなければ直接改善する方法を一緒に行っていきます。
学習して理解することでえられる認知的な学習もあれば、行動して身に着ける行動学習も提供しています。
- 楽しく理解できるように提示する
- 子供の好きなものを使う(幼児・小児の場合:おもちゃや遊具)
- 子供の理解力に合った方法を用いる(視覚提示や聴覚提示)
- ファンタジーの活用(ファンタジー世界を持つ子供向け)
- 物語の活用(物語的思考をお持ちの子供向け)
- 発達特性やHSP、愛着特性、精神特性などの理解のもとに行うこと(問題を問題と認識できない特性もあるので)
- 認知機能のあるお子様は大人レベルが可能な場合もある
などを配慮して行うことが大切だと考えております。
理解できなければ意味がないですし、実際に使えるようにならないとマネジメントになりません。
両方ができない乳幼児には難しいですが、幼児から大学生と幅広くできる可能性があります。
当教室で行っているホワイトボードを利用して自分のこころをわかりやすく書きながら学んでいくスタイルは多くのお子様でも理解しやすい方法です。
ストレスマネジメントを行うと良いケース
基本的には受けたければ受けることができるものですが、
- ストレスに弱い
- ストレスに感じるものが多い
- ストレスがあるとすぐに諦める、「やらない」と放り投げる
- 傷つきやすい、落ち込みやすい
- 叱られること、怒られることが苦手
- 不安や恐怖が強い
- ストレスから立ち直りが遅い
- ストレスの対応がうまくない
- 気にし過ぎる、考えすぎる
- 苦手な人が多い(ある特定の性格に強く反応する)
- 恥ずかしさが強い
- 相談できない、助けを求められない
- リラックスや発散が苦手
- 悪いほうに捉える(ネガティブ)が強い
- HSPや特性がある
- 極端な捉え方をする
- 自己肯定感や自信、自己効力感が低い
- 厳しい環境が苦手
- 手や暴言が出てしまう
- 関係を壊してしまう
- 逃避してしまう
などがある場合はマネジメントを学び、自分なりに習得していくことで人生の処世術を得ることができます。
保護者の方の理解
お子様がうまくマネジメントができるまで保護者の皆様の理解と適切な促しが必要な場合があります。
そういった意味で保護者の方に対するアドバイスや共通理解をお願いすることがあります。
- 環境設定(その適切な行動が促されやすい場の設定)
- 促し(その適切な行動を得るための補助)
- プロンプト(ヒントを与える)
- 一緒にマネジメントする(ゆくゆくは楽しみながら)
- 相手が褒められたい褒められ方で褒める
- 思い出させてあげる
といった内容のサポートが必要な場合があります。
ご家族も一緒にマネジメントできるようになるといいですね。
遠方でもできるストレスマネジメント
愛知県にお越しいただいて、直接お会いして面談とSSTができればいいのですが、遠方の場合は難しいこともあります。
現在はLINE動画や電話、スカイプ、ZOOMなどの方法を用いて学ぶことができる時代です。
逆にそのほうが移動時間がなくて良いというケースもあります。
ご希望をお伝えください。
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