こんにちは、名古屋こどもカウンセリングとSST教室のしらいしです。
この記事では、こどものトラウマに対するカウンセリングと心理療法について書いていきたいと思います。
※かんじがよめないおこさまやおんせいでききたいばあいは、こちらのぶんしょうをクリックしてください。(音声読み上げ案内)
トラウマとは何ですか?
トラウマ(英語:Psychological Trauma)とは、別名で心的外傷(しんてきがいしょう)とも呼ばれ、自分の外にある外部の影響によって肉体的、もしくは精神的にショック(衝撃)を受けて長期間その悪影響を受けることを指します。
記憶がよみがえってフラッシュバックすることがあることが最も特徴的です。
非常に強いストレスとなるため治療や支援が必要になるケースがあります。
1か月以上になる場合は心的外傷後ストレス(PTSD)と診断されることもあります。
WHO(世界保健機関)の調査では、日本で一生のうちにトラウマ体験をする可能性はなんと約60%といわれていますが、数か月で6~7割の方が自然回復するとも言われています。
一般的なトラウマとして
- 虐待された
- 交通事故(見た・事故にあった)
- 自然災害(地震・津波・洪水など)
- 日本ではあまりないですが、暴動やテロ
- 火事
- 暴力を受けた(見た)
- 動物に襲われた(犬、熊など)
- いじめ
- レイプ
などがあるといわれています。
特に生死を脅かすような大きな出来事がトラウマになりやすいといわれています。
トラウマをどこまで解釈するかにもよりますが、
- 吐くのが怖い(嘔吐恐怖)
- おならが出るのが怖い(IBS・おなら恐怖症)
- 発表するのが怖い
- 意見を言うことが怖い
- 人が怖い
- いじりが怖い
- 給食が怖い(会食恐怖)
- 見た目を何か言われるのが怖い
- お友達を作るのが怖い
- 学校が怖い、教室が怖い
- 怒られるのが怖い(叱られるのが恐い)
など怖い気持ちや恐怖症のなかにもトラウマがある場合があります。
一般的には恐怖症はその対象について恐怖を覚えます。
トラウマは過去に受けた精神的なショック(傷)による影響で無気力になったり、日常生活に影響を与えます。
なかなか区別が難しい場面もありますが、
- 過去の出来事がフラッシュバックしてしまう
- その出来事が悪夢のようにでてくる
- その出来事が頭から離れない
- 日常生活に支障がでる(睡眠不足や登校拒否)
- 抑うつや無気力になる
などがある場合はトラウマとしてとらえて治療をする場合が多いと思います。
特にフラッシュバックが多いものはその可能性が高くなります。
PTSDの4つの症状
PTSDには
- 再体験(フラッシュバック)
- 回避
- 麻痺
- 過覚醒
の4つの症状が代表的です。
1.再体験(フラッシュバック)
トラウマになった出来事が無意識的に現れたり、夢の中で悪夢としてでてくる症状です。
当時の感覚が再現されるためフラッシュバックや悪夢が起きるたびに強いストレスを脳内で再体験してしまいます。
2.回避
トラウマになった出来事や関連する場所、人物を避けようとします。
- いじめにあって学校に行けなくなった。
- 津波にあったため海に近づかなくなった
- ある特定のタイプの人間がいると離れたくなる(逃げたくなる)
いろいろな場面で日常生活に支障が出ることも増えてきます。
3.否定的な感情と認知(麻痺)
本来あるべきポジティブな感情が薄れ、ネガティブになったり、否定的な捉え方をしてしまうようになる症状です。
- みんな私にそう思っているんだ
- またあそこに行ったら絶対起こる
- また絶対に起きるはずだ
- なんで自分は。。。
後で考えてみればあの時の感情や思考は強く偏っていたな、と感じるほど強く偏ることが多くあります。
そうやって強く偏見を持つことで再びトラウマティックな出来事と出会わないように回避できたり、防御線を張ることができるからです。
また感情を遮断して自分の身を守ろうとする「麻痺症状」が出る場合もあります。
これは感情的なものだけでなく、興味や関心といったものまでなくなり、意欲も失ってしまう場合もあります。
4.過覚醒
日常のわずかな音やにおいなどの刺激でも過剰に反応してしまいます。
- イライラして怒りっぽくなる
- 集中できない
- 気になることが多い
- 不眠や睡眠障害
が増えていきます。
警戒心と防衛本能で過剰に覚醒して身を守る状態ですが、非常に疲弊しやすくなりますので注意が必要です。
トラウマとPTSDの治療
合併症としてうつや解離症なども起きる場合があり、その方に合わせた治療が行われます。
まず大切なのは、トラウマの出来事や関連した話をするということよりも「安心して話せる場所」をつくることにあります。
「この先生であれば大丈夫だ」と思えなければスタートラインにも立てません。
病院やクリニック、ドクターにより薬物療法と心理療法を組み合わせて行っていくケースが多いでしょう。
当カウンセリングでは心理カウンセリングと心理療法を担当できます。(医師の許可を取ってくださいね)
当事者であるクライエントにとって安心で安全な領域を確保すること、そして傷つきの回復を促すように最初は進むケースが多くあります。
そして心理的な治療として、
- 持続エクスポージャー法(安心安全を確保したうえでトラウマにスモールステップで慣れていく作業)
- 眼球運動を取り入れたEMDR(記憶の情報処理を促す)
- 認知行動療法(否定的な感情と認知のあたりにアプローチできる)
- 身体的アプローチ(SE・ボディーコネクトセラピー・タッチセラピーなど)
- 心理カウンセリング
などの方法が考えられます。
もちろん自然回復を期待して日薬のような捉え方も必要ですし、なによりそのクライエント自身の意思が重要になります。
治療が可能な心理状態でないと難しいこともありますので、治療が可能な心理状態へ向かうためのカウンセリングというものも利用する価値はあると思います。
5つの方法から考える「トラウマ(PTSD)」への対応
当施設では下記5つの方法から相談されるクライアントに最適な手段を組み合わせて、改善のサポートを行っております。
①カウンセリングによる対応
治療に向かうためのカウンセリングも治療の中でのカウンセリングも行うことができます。
- 安心安全を確保する
- 傷つきを回復させる
という2点を優先し、過剰な感情や認知を鎮め、過剰覚醒や過剰防衛が自然に緩まるような穏やかなセッションを進めていきます。
進む中でトラウマ本体との対峙が必要な場合はその方に合わせて、
- 持続エクスポージャー法(安心安全を確保したうえでトラウマにスモールステップで慣れていく作業)
- 眼球運動を取り入れたEMDR(記憶の情報処理を促す)
- 認知行動療法(否定的な感情と認知のあたりにアプローチできる)
- 身体的アプローチ(SE・ボディーコネクトセラピー・タッチセラピーなど)
などを組み合わせてセッションを行っていきます。
②持続エクスポージャー法による対応
一番効果がありながらも一番慎重に行わないといけない方法です。
暴露(ばくろ)療法と呼ばれている場合もあります。
慎重にスモールステップで行くと良い場合もあれば、勢いでブレイクスルーが起きるような対峙ができる場合もあります。
クライエント次第、タイミングとその前のカウンセリングにもよります。
うまくやればこれで良くなったという感覚が出やすいですが、合わないタイミングや時期、方法で行うと「この療法だけは嫌だ」ということになってしまうので慎重さが必要になります。
③脳の情報処理機能を活用する
EDMRという眼球運動を使った情報処理治療が有名ですが、他にもあります。
五感に分割して一つずつ調整していく方法や視覚的な捉えなおしによる情報処理などです。
詳しくはお聞きください。
④認知行動療法
認知行動療法では、自分の偏った捉え方がわかりやすく、自分を客観的に見ることができるように設計されています。
他の心理技法と組み合わせることも多くあります。(認知行動療法の中に取り込むとも言えます)
解釈やとらえ方、日々の日常の客観視にアプローチできます。
⑤身体的なアプローチ
トラウマは心理だけの問題と考えるのはもう古い話となってきております。
脳神経系や身体が記憶するものとして研究が多く発表されてきています。
そういった身体的な側面からリリースしていく、アプローチが増えてきています。
身体側からアプローチして心理が軽くなることがあるのです。
いろいろな身体的なアプローチの手法が考えられています。
また神経系の可塑性の原理を知ることもトラウマの治療の役に立つことができることがあります。
どのアプローチで進めるかは話しながら一緒に決めていきましょう!
名古屋こどもカウンセリングとSST教室のご案内
当教室では、直接面談して行う方法と電話やオンラインで行う方法の二つからご相談を承っております。
※離席する、席に座れない場合のオンラインは非常に難しいことが多くあります。報酬の設定などにもよりますが、難しい場合は、対面が基本になります。
初回10分無料相談がお電話で行えます。(直接お電話してもらっていいですが、お電話が取れないときもありますのでご了承ください)
これはミスマッチ防止のため、本当に求めているものと合致できるかを判断するものとしてサービスとして行っています。
基本的なご利用料金は「個別セッション(約55分フィードバック含む)6000円」になります。
面談できる場所は2025年4月に開室予定です。
お問い合わせ
お問い合わせは下記のフォームにご記入いただき、最後に送信ボタンをクリックしてください。
基本的には、メールでの返信になりますが、直近のご予約やメールでの送信や返信が来なかった場合にお電話でご連絡させていただく場合がございます。
どうぞよろしくお願い申し上げます。