「グレーゾーン」についてこの記事では情報を発信しております。
愛知県名古屋市でグレーゾーンでお悩みのお子様や保護者さまにカウンセリングやSST(ソーシャルスキルトレーニング)、療育などを提供しております。
※グレーゾーンという言葉でくくれるほど「お子様」の特性や魅力は単純ではなく、安易に語ることはできませんその理解をベースにしながら記述しております。
グレーゾーンとはそもそも何か?
グレーゾーンとは、正式な診断はなく、発達特性が軽く、確定診断に至らない場合によく用いられます。
そのため「発達障がいグレーゾーン」と呼ばれることもあります。(これも診断名ではありません)
個人的な感覚を申し上げていいのであればグレーゾーンのことを学べば学ぶほど、
- 発達障がいグレーゾーン(ASD,ADHD,DCD,LD)
- 知的障がいグレーゾーン(境界知能)
- 愛着障がいグレーゾーン
この大きな3つのカテゴリーで理解する必要があるかもしれないと思っております。
また繊細なお子様などHSCと呼ばれる方々もグレーゾーンという認識を持たれている方もいます。
「病気や障がい」と「ふつう」の間の領域をグレーゾーンという言葉で表現されているのかもしれません。
グレーゾーンは症状も障がいと比べて「軽い」という印象を与えますが、それは異なる場合も多くあります。
なぜなら認知機能が発達している方が多く、「悩む」ということができるため、比較したり、自責することもできるため、二次症状を感じやすくなります。
生活や学習、運動、人間関係の困難さに加えて「悩む」苦痛を感じてしまうことが多いということです。
「発達障がい」と診断されないため、受給者証や手帳の取得はできません。
そのため早期療育の機会に恵まれず、「ふつう」というくくりの中で劣等感を感じたり、うまくいかない失敗体験が増えてしまったりしてしまうことがあります。
手厚い支援が受けられないなかで、どこに相談したり、どうやって学ぶ機会を作るか、保護者の方は苦慮されている方も多いとお聞きします。
当教室ではそういったお困りごとが心理面、療育面の両方からアプローチできるように設計されています。
発達障がいとグレーゾーンのこどもたち

発達障がいには
- ASD(自閉スペクトラム症)
- ADHD(注意欠陥・多動性障がい)
- LD(学習障がい)
- DCD(協調運動障がい)
の4つが代表的なものです。
そしてそれに加えて知的障がいも関係していることがあります。
知的障がいはIQで測られることが多く、
IQ70以下から知的障がいと診断され、IQ70~84の方はその境界であるため「境界知能」という呼び方をされます。
知的でのグレーゾーンは「境界知能」の方が該当されます。
以下それぞれの特徴を記載していくのですが、グレーゾーンも同様にASDとADHD特性を併せ持つ方、ADHDとLDの合併、境界知能の併存など合併されている方もいらっしゃいますので、特徴は横断的に併せ持つ場合も少なくありません。
ASD(自閉スペクトラム症)のグレーゾーンのお子様の特徴
ASD(自閉スペクトラム症)のグレーゾーンのお子様は、
- 急なスケジュール変更ができない
- 人間関係に悩みやすい
- 自分の世界観があって上手く溶け込めない
- 合わせようとしてもなかなか相手に合わせられない
- 相手の話しや意図がうまくわからず、誤解が生まれたり、コミュニケーションが難しい
- あいまいな指示の理解が難しい
- 自分の興味のないことに取り組むことが難しい
- 独特のこだわりがある
- 他者に興味を持てない
- 感覚過敏や鈍麻がある
などの特徴やお困りごとがあるといわれています。
ASDとADHDは3~5割くらいの合併率があるといわれています。
ADHD(注意欠陥・多動性障がい)のグレーゾーンのお子様の特徴
ADHD(注意欠陥・多動性障がい)のグレーゾーンのお子様は、
- 落ち着いて座っていられない(苦手)
- ミスや失敗が多い
- 不注意やうっかりが多い
- 順序だてて行動できない
- 動きたくなる
- 遅刻や約束を忘れることが多い
- ストレートな表現でトラブルになることがある
- 思いつきで行動してしまう
- 自分の話しをしたい(うまく会話のキャッチボールが出来ない)
- ころころやりたいことが変わる
などの特徴やお困りごとがあるといわれています。
不注意型、多動型、混合型などでまた特徴が変わります。
LD(SLD:学習障がい)のグレーゾーンのお子様の特徴
LD(SLD:学習障がい)のグレーゾーンのお子様は、
- お勉強がついていけない
- 読む、書く、計算する、聞き取るなどに特性があってうまく実行できない
- 推論も苦手
- 文字や行を飛ばして読んでしまう
- 繰り上がり、繰り下がりが出来ない
- 時計が理解できない
- 板書が難しい
- 誤字脱字、鏡文字が多い
- 指示が分からない
などの特徴やお困りごとがあるといわれています。
大人になるとほかの方よりも仕事が遅いなどの問題も起きることが少なくありません。
またADHDとLDは3分の1程度の合併率があるというデータがあります。
DCD(協調運動障がい)のグレーゾーンのお子様の特徴
DCD(協調運動障がい)のグレーゾーンのお子様は、
- 運動が上手くできない(運動音痴)
- 手先が不器用
- 動作のぎこちなさ
- お箸や紐結びなども苦手
- 服の着替えが難しい
- スキップやケンケンができない
- 球技が難しい
- うまく受け身が取れない
- 食べこぼしが多い
- 自転車に乗れない
- 鉛筆をうまく動かせない
などの特徴やお困りごとがあるといわれています。
DCDの診断と運動の苦手さの違いについては様々な議論があります。
正しい動作を教えてできるようになってもまたできなくなってしまう現象などもサインの一つとされている場合があります。
知的グレーゾーン(境界知能)のこどもたち
知的障がいグレーゾーンである「境界知能」は、知能指数(IQ)において70以上~85未満の方々に対して一般的な呼称として用いられています。
境界知能は、一般平均のIQ85~115と知的障害とされるIQ70未満の間に属します。
平均と障害のはざまになりますが、なかなか今まで一般的に理解されてこなかった境界域になります。
ある統計上では約14%がこの境界知能に該当するといわれています。(1000万人くらい該当する方がいらっしゃる可能性があります。
学校の35人クラスがあるとすると5人くらい境界知能のお子様がいるという計算になります。(私たちが思っているより多いかもしれませんね)
知的グレーゾーン(境界知能)のお子様は、
- 読み書きが難しい
- お世辞や社交辞令などがわからない
- スピードについていけない
- 集中できない
- 理解が難しい
- 上手く整理できない
- 覚えられない(すぐ忘れる)
- 力の加減が難しい
- 見る聞くが難しい
- 宿題に取り掛からない
- 会話についていけない
- ルールやマナーの理解が難しい
- 相手の意図がわからない
- うまく言葉で表現するのが難しい
- 上手く仲間の輪に入れない
- 空気を読むことが苦手
- 話すスピードや処理に問題が生じて会話がうまくできない
- 抽象的な話が苦手・わからない
- 集団になじむのが苦手
- 忘れっぽい(おっちょこちょい)
- 身だしなみを整える事が難しい
- 整理整頓の困難さ
- お金の問題
- スケジュール管理
- マルチタスクの苦手さ
- 口頭指示の実現の難しさ
- 業務を覚えることに時間がかかる
- 値段の比較や商品の比較が難しい
などの特徴やお困りごとがあるといわれています。
境界知能も単体の特性のお子様もいれば、発達障がいグレーゾーンと合併されているお子様もいらっしゃいます。
愛着障がいグレーゾーンのこどもたち
愛着障がいとは、
①反応性アタッチメント障がい(他者を警戒し、周囲へ無関心:拒絶傾向)
②脱抑制性対人交流障がい(知らない人にも必要以上に接近し、気を引いたり、落ち着きがない:依存傾向)
の2種類があります。
両者は反応がまったく異なりますが、それぞれ上記のような愛着特性があります。
愛着形成の完璧さなどは存在しない可能性もあり、だれでも多少なりとも愛着に特性があるといわれています。
診断されてはいないが愛着がうまく形成されない場合、「愛着不全」という言葉が使われることがあります。
愛着障がいグレーゾーンや愛着不全の方も「グレーゾーン」と呼ばれる総称で表現されることがあります。
愛着障がいグレーゾーンや愛着不全のお子様は、
- 人間関係の形成が難しい(理解されにくい)
- 他者に心を許さない拒絶するタイプ
- 相手に必要以上近づく依存タイプ
- 感情のコントロールが苦手(落ち込みやすい)
- 自己評価や肯定感が低い
- 恐怖心や不安が強い
- 助けを求めにくい
- すねやすい
- 自我やアイデンティティの確立が難しい
- 問題行動がでてしまう
などの特徴やお困りごとがあるといわれています。
愛着特性のあるお子様への対応は発達特性のお子様への対応とは少し異なります。
HSC(HSP)のこどもたち
HSP(Highly Sensitive Personの略名)とは、
- 非常に繊細
- 感受性が強く(刺激を感じやすい)
- 敏感な気質
- 物事を深く考える(考えすぎる)
- 共感性が高い
をもった人という意味で、アメリカの心理学者エレイン・アーロン博士の研究によって提唱された概念です。
子供の場合は、Highly Sensitive Childと表記し、一般的に「HSC」と呼ばれています。※こちらも病名や診断名ではない
こういった特性も「グレーゾーン」という言葉の中に含める場合があるため紹介しておりますが、そうではないという反対の意見もあります。
うまく活用していければ才能としてうまく仕事に活かせる側面もありますが、生きづらさや困難さを抱える場面も少なくありません。
そういった意味では福祉支援もなく、「ふつう」というカテゴリーで同一化されて、苦しさを抱える場面も多くあります。
こちらもHSCに対応する関りや療育、SST、心理カウンセリングなどで改善や成長、才能化していくことができます。
親の不安感と悩み
お子様がグレーゾーンかな?と感じられて
- うちの子、大丈夫かな?
- 将来の仕事はどうなるんだろう?
- 結婚できるだろうか?
- 今後の勉強は大丈夫かな?
- 人間関係で困らないかな?
- 運動大丈夫かな?
- メンタル大丈夫かな?
- ついていけるかな?
- このままでいいのか?福祉のほうへ行くのか?どうしよう?
- 私や主人の特性を引き継がせてしまったかな?
- 私自身も困ってきた
- 全然違うから理解できない
など様々な不安と悩みを感じる場面もあるかもしれません。
そんな不安がある場合はぜひご相談ください。
こちらでSSTや療育、心理カウンセリングなどで改善・成長できるものも多くありますし、お母さまのフォローもとても大切にしております。
必要に応じて公的・福祉関係機関につなげる事も行っております。
当教室でグレーゾーンのお子様にできること
名古屋こどもカウンセリングとSST教室では、
アセスメントを最初に行っております。
アセスメントとは、「見立て」という意味ですが、そのお子様を深く様々な角度から「理解」するものです。
この前提があって、スタートできるもの、課題やカウンセリングなどの対応が決まっていきます。
- 発達特性はどうか?
- 愛着特性はどうか?
- 知的・境界知能的はどうか?
- HSCの側面ではどうか?
といった視点も大事ではあります。
しかしそれだけではありません。
- 栄養素や生活習慣
- 感覚特性はあるか?
- 動作・運動的な発達の状態
- 心理的な特性
- 関りの特性
- スキルの状態
- 好き嫌い
- 動きやすくなる動機付け
- 家族やお友達、先生との関係性やかかわり
- 学び方や勉強の状態
- 心理状態
など、様々な状態を鑑みて「そのお子様」を理解していきます。
その理解があって対応する療育課題やカウンセリング、心理教育が生まれます。
グレーゾーンという領域では、生きる困難さを感じ、悩みやすくなることがあります。
その悩みの扱い方を学ぶことも大事になります。
自分が今後生きていく中で「どのように生きていきたいか?」を明確化したり、高すぎる理想の自分を適正化してうまくいくように調整したり、できることは非常に多くあります。
なにより自分の持っている悩みの中に実は将来の可能性を引き上げる「才能」や「スキル」になっていることもあります。
お子様がこういったところに行きにくい場合には、箱庭やプレイセラピー(遊戯療法)を行いながら楽しく進めていく方法もありますよ。

どの方法が一番良いかは一緒に決めていきましょう!
名古屋こどもカウンセリングとSST教室のご案内
当教室では、直接面談して行う方法と電話やオンラインで行う方法の二つからご相談を承っております。
初回10分無料相談がお電話で行えます。(直接お電話してもらっていいですが、お電話が取れないときもありますのでご了承ください)
これはミスマッチ防止のため、本当に求めているものと合致できるかを判断するものとしてサービスとして行っています。
基本的なご利用料金は「個別セッション(約55分フィードバック含む)6000円」になります。
グレーゾーンのお子様向けの小集団療育(2~5名)は4000円(約55分フィードバック含む)です。日時はトップページのスケジュールをご確認ください。
教室の場所はこちらです。
〒466‐0856
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