こんにちは、名古屋こどもカウンセリングとSST教室のしらいしです。
自分自身が「落ち込みやすくてつらい」と感じたり、保護者が「うちの子、落ち込みやすくて心配」と感じる方に向けて、「落ち込みやすさ」とその問題に対応するカウンセリングやSSTについて書いていきたいと思います。
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「落ち込みやすさ」とは何か?
「落ち込みやすさ(英語:Easily depressed)」を持つ方は、いろいろな場面で強いストレスを抱えることが多いと思います。
また傷ついてそのあとに落ち込む深さやそこから回復するまでの時間なども人それぞれであり、そのあたりの重さもこの苦しみの中に入ります。
一度傷つくと深く落ち込み、苦しい時間が長く、なかなか回復できない、といった場合は、専門家と一緒にその自分と向き合い、打開していくことを推奨します。的を得た手順で努力すれば打開できます。
「落ち込みやすさ」などの性格の遺伝は約50%ぐらいとされており、残りは生まれてからその後の後天的な環境によって影響されていると一般的に言われています。
両親の遺伝子からの影響もあるかもしれませんが、自分独自の特性として強くなる場合もあります。
後天的な環境というのは、○○の時に嫌な思いをして傷ついて、それから傷つきやすくなったといった体験などが該当します。
問題が重なってくると「こんな自分で生まれてきたくなかった」と思うくらい社会適応が難しくなったり、生きづらさを感じたりしてしまうこともあります。
小さなことでも落ち込んでしまう「落ち込みやすさ」がある場合、自己防衛本能は小さな危険でも大きな脅威と感じてしまい「過剰な反応」を出してしまうこともあります。
また落ち込みやすい言葉や相手の行動が多い人もいます。
いろいろな言葉や相手の行動がトリガーになって、反応してしまうので傷つき、落ち込んでしまう場面も増えてしまうのです。
ひとことで「落ち込みやすい」といっても、ひとによってその深さや頻度も異なります。
誰でも落ち込むことはあるのですが、日常生活に支障が出るようになるとなにかしらの改善のための対処をしていくことが求められます。
あなたやお子様は、どんな時に落ち込むでしょうか?
- うまくできなくて落ち込む
- ミスが多くて落ち込む
- 指摘されると落ち込む
- 友達とうまくいかなくて落ち込む
- 一人が多くて落ち込む
- 考えてたらいつも落ち込む方向に向かう
- 会話がうまくかみ合わなくて落ち込む
- ○○といわれて傷つき、落ち込む
- 自分の意見を尊重してもらえないで落ち込む
- 思い通りいかないと落ち込む
- 受験でうまくいかなくて落ち込む
- 宿題がうまくできなくて落ち込む
- 勉強がうまくできなくて落ち込む
- 自分の容姿や性格をいじられると落ち込む
- 自分をいじられると落ち込む
- うまく友達ができなくて落ち込む
- 自分のことをこそこそ話されると落ち込む
- 無視されると落ち込む
- いじめで落ち込む
- 落ち込みやすい自分に落ち込む
- 裏でなんか言われてるんだなと思って落ち込む
- YOUTUEBやゲームをやめるときやできなくなって落ち込む
など人によってさまざまな落ち込むがあります。
落ち込みやすさがあることによって、
- やる気が出ない
- 何もする気になれない
- 悲しくて無気力になる
- 本来の力が発揮できなくなる
- 絶望的に感じる
- ネガティブになることが多い
- 不安や心配により行動が起こしにくくなる
- 適応が難しくなる
- 勇気が持てなくなる
- やりたいことができなくなる
- 声がかけづらい(積極的になりづらい)
- 友達ができにくい・輪に入りにくくなる
- 明るくなりにくい
- 学校に行きたくないと思ってしまう
- 鬱っぽくなってきた
- 体に症状が出てきた
などのような困りごとが増えてしまいます。
つらいですよね。
周囲から理解してもらえればいいのですが、本当に理解できるのは「落ち込みやすさを持っている人」しかできません。
持っていない人は、「なんでそんなに落ち込むの?」といった言葉がけになってしまうことが多いですね。(昔落ち込みやすさを持っていて乗り越えた人でも家族であれば期待と乗り越えてほしい思いもあってこのように言ってしまうこともあります)
理解されにくいことも苦しみになってしまいます。
わたしもこの落ち込みやすさで苦労したのでよくわかります。
「自分はなんてダメなんだ」
「自分はなんてダメなんだ」と普段から自分を責めたり、悲観的に思っている場合、落ち込みやすくなっていきます。
「ダメ」のレッテルをはって、それが積もってたまっている中で蓄積してしまうのです。
「やっぱり自分は。。。」となっていくのです。
ではどうすればよいか?
- できることを増やしたり
- できる自分をもっと見てあげる
- できない自分を受け入れる
- 自分の特性を理解する
- 自分の効力感をあげる
当施設ではあらゆる角度で落ち込みにアプローチしております。
落ち込んでいるさなかではこのあたりのアプローチはできません。
落ち込みを癒し、軽くするようなカウンセリングから始めることが良いですね。
相手の責任と自分の責任
何かあった時に必要以上に自分の責任にしてしまうことにより落ち込みやすくなるケースが増えてしまうことがあります。
また自分のせいにすることで相手を守るとても優しい方も多いですが、その矛先が自分に刺さってしまいます。
相手と自分の責任に関してバランスをとることやしっかり相手の責任を認識していくことも落ち込みやすさを軽減していくことに繋がります。
このバランスも当施設のセッションで行うことができます。
このあたりのバランスが取れていくと「生きやすく」なりますね。
他人の落ち込みに共感する心とエンパス
他人が落ち込んでいるのを見ても共感して苦しくなるという方もいます。
こういう方を最近では、「エンパス(empath)」と呼んだりします。
相手の気持ちを察知する能力が高いだけでなく、相手の気持ちが自分のことのように感じてしまったり、相手が辛い気持ちを抱えている場合、自分も辛い気分になってしまいます。
身体的な苦痛や苦悩も同様に感じやすい場合もあり、自分も具合が悪くなってしまうことがあります。
落ち込んでいる人をみると自分も落ち込んでしまう。
落ち込んだ話を聞くと自分も引っ張られる。
この能力が高いということは、一部の仕事や人間的な魅力である「才能」として活かされるものでもありますが、高すぎたり、負の影響が高い場合は、自分を苦しめて苦悩させてしまうことにも繋がってしまいます。
HSP(HSC)と落ち込みやすさ
HSP(HSC)という言葉をご存じでしょうか?
HSP(Highly Sensitive Personの略名)とは、非常に繊細で、感受性が強く、敏感な気質をもった人という意味で、アメリカの心理学者エレイン・アーロン博士の研究によって提唱された概念です。
子供の場合は、Highly Sensitive Childと表記し、一般的に「HSC」と呼ばれています。
病気ではなく特性として紹介されました。
このアーロン博士は、「人類は大胆派と繊細派がいて生き延びてきた」と述べています。
アーロン博士によるとHSP(HSC)には、「DOES(ダズ)」と名付けた4つの特徴があり、この4つ全てに当てはまる人がHSP(HSC)気質を持つと定義しています。
①物事を深く考える(Deps of processing)
②過度に刺激を受けやすい(Being easily overstimulated)
③感情の反応性が強く、共感性が高い(Being both emotionally reactive generally and having high empathy in particular)
④物事を繊細に感じる感受性が高い(Being aware of subtle stimul)
落ち込みに関して改善するアプローチを行う中でこのHSP傾向自体にアプローチするべき時がくる場合があります。
個性という側面もありますが、自分がなりたいちょうどよい敏感度にしていくことも重要です。
落ち込みやすさとHSP(HSC)傾向が関連することもよくありますね。
自分の落ち込みやすさがとてもつらい
自分の落ち込みやすさによって強いストレスを持続的に背負うケースには注意が必要です。
傷ついて落ち込んだり、気になって考えすぎたり、不安になって引っ込み思案になったり、負のループから抜け出せなくなるケースもあります。
誰かに相談できたらいいのですが、1人心の中で悶々と苦しむこともあります。
人は思考の中でも苦しめるので余計に辛いんです。
家族が話を聞いてくれるご家庭もあれば、逆にこの性格的特徴を責め立て、余計につらい思いをすることもあります。
※落ち込みから無気力さや未来が絶望的に感じてしまうところまできたら相談できそうな近くの医師や専門家に早めに相談してください。
自分や子供の落ち込みやすさは変わらないのか?
落ち込みやすさは一生変わらないのでしょうか?
大人のみなさんはわかる方が多いと思いますが、子供の頃と比べると変わってきている性格的特徴もたくさんあるのではないでしょうか?
また年齢によって落ち込みやすくなるところに変化が出てくることもあります。
- 積み重ねて経験していったことにより変化したもの
- こんな人になりたいと思って人生を生きていたらいつの間にか変わった
- お友達の影響を受けて変わった
- 部活や趣味で変化してきた
- 年齢に従って変わってきた
- あの人の言葉で変わった
- 親になって変わった
- 社会人になって変わってきた
人間はひとりで生きていないですし、多くの人から影響を受けます。
トレーニングと理解によって早い変化が生まれやすくなります。
神経系から考える「落ち込みやすさ」
「神経」と「心理」と「行動」の関係性を学ぶことでどのようにすれば改善できるか?をより深く理解することができます。
逆にこのシステムが分かっていないまま心理学の「心理」の部分だけのアプローチに頼ると、壁にぶつかってしまうことも多くあります。
当セッションでは神経系からのアプローチも含めて「落ち込みやすさ」に対して統合的にアプローチを行っています。
詳しくはセッション内でお伝えいたしますね。
4つの方法から考える「落ち込みやすさ」への対応
当施設では下記4つの方法からクライアントに最適な手段を組み合わせて、改善のサポートを行っております。
どこまで「落ち込みやすさ」を改善していくことが適切であるかを一緒に話しながら必要な方法を一緒に選んでいきます。
①カウンセリングによる「落ち込みやすさ」への対応
カウンセリングでは、お子様や保護者さまの落ち込みやすさを話していただきながら、苦しい気持ちが癒えたり、問題の重要なポイントが明らかになっていきます。
それが会話だけでクリアできるものであればそのまま進んでいきますが、トレーニングや環境設定などが必要であればそちらへ移っていきます。
落ち込みやすさは、その出来事のとらえ方や自分自身につけたレッテルなどの解釈の影響を受けますのでそのあたりがテーマになることも少なくないです。
また身近な家族の理解や手助けが必要な場合は、その方法を一緒に考えていきます。
②SSTによる「落ち込みやすさ」への対応
SST(ソーシャル・スキル・トレーニング)では、どのようにすれば他者とよい関係を結べるか、その問題や大変さが改善するかを学ぶことができます。ただ学ぶだけでなく、学んだ後は実践形式で体験していきます。人数がそろえば集団でも行うことができますし、外部環境に出て練習することもできます。
落ち込みは自分一人の世界の中で持ち込む問題なので、それを外部の世界で対応できるように考えていきます。
嫌な言葉を言われたら、「嫌だった」と言い返す。もしくは嫌だった思いを誰かに伝える。
助けてほしかったら、「話を聞いて」といえるようにしていく。そこで解消できるものを増やす。
といったように実際の行動でできることを増やしていきます。
先生が相手なのでやりにくそうでも次第にできてきますよ。
③ストレスマネジメントによる「落ち込みやすさ」への対応
ストレスマネジメントでは、生きづらい原因となるストレスを特定して、ストレスをできるだけ減らしていきます。またストレスからの回復力が弱いケースでは、それを強めるためのセッションや資源を活用します。捉え方を変えていくことによってストレスの強度が変わったり、発散する方法が増えるとストレス許容量が変化したりします。
落ち込みやすさの一番苦しいところから最優先に改善していきます。
落ち込みや落ち込みからの脱却が一番苦しいのであればそこをどうすれば良いか一緒に考えて実際の生活に活かしていきます。
④療育による「落ち込みやすさ」への対応
療育の課題によって落ち込みやすさを軽減していく方法です。
- 自分の気持ちを伝える練習
- 落ち込みの再体験と理想的な抜け出し方
- 不器用さであれば、手の巧緻性のトレーニングを
- 眼球が動きにくいのであればビジョントレーニングを
- 運動がうまくいかないのであれば運動療育やボディーイメージを
- うまくできないことへのストレス負荷のもんだいがあれば受け流す妥協トレーニングを
- 一緒に遊ぶのが下手な場合は、遊戯療法を
- 意見が言いにくい場合はディスカッションレッスンを
- 会話がうまくできないなら会話の練習を
など問題になっているところとそれに付随するスキルに関して改善するように課題を設定していきます。
落ち込みやすさを療育でトレーニングするためには不快感を受け入れていく課題や図太さの行動をモデリングすることも必要に応じて行います。
どのアプローチで進めるかは話しながら一緒に決めていきましょう!
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