しらいし先生
しらいし先生

こんにちは、名古屋こどもカウンセリングとSST教室のしらいしです。

「親の言うことが聞けなくて困っている」「言っても指示が入らなくて大変」といった状況がある保護者様に向けて、その問題に対応する方法について書いていきたいと思います。

※かんじがよめないおこさまやおんせいでききたいばあいは、こちらのぶんしょうをクリックしてください。(音声読み上げ案内)

親の言うことが聞けない理由と原因


親の言うことが聞けない

言っても指示が入らない

このような状況が続くと我が子の未来が心配になったり、自分自身がストレスで大変になってしまうことがあります。

イライラしてしまって大変というお声もよく聞きます。

親は大変です。

やることが多い中で、この指示が入らないことでいろいろなことが中断されたりしてしまいます。

スムーズにいきたいのにできない苦悩を毎日を抱えるだけでストレスです。

そんな毎日に少しでも参考になれば幸いです。

さて親の言うことが聞けない理由はどのようなものがあるでしょうか?

  • 親子のリレーションシップ(関係性)がうまくできていない
  • 反抗期やイヤイヤ期
  • 自分の世界観に没入しやすい
  • 一つの事に集中しやすい特性
  • 発達障がいなどの特性によるもの
  • 独特の愛着形成
  • あまのじゃく特性
  • 相手が嫌がっている反応が好きな特性
  • 人への興味が薄い
  • 指示されることへの抵抗感
  • 心理的リアクタンスの問題
  • 指示が多すぎる
  • 指示よりも自分で決めることに行動の動機が強い
  • 報酬設定の問題
  • 子供への理解が足りない

などが理由として、原因としてあげられるかもしれません。

親子のリレーションシップ(関係性)がうまくできていない

親子関係がうまくできていない状態で指示をしてもなかなか聞く耳を持たないお子様もいます。

まずは関係性を作ることが大切です。

苦手な方もいるかもしれませんが、子供は自分が好きなことをしてくれる人を好みます。

好きなことを提供したり、好きなことを一緒に楽しんで共同体験をされてみるといいかもしれません。

反抗期やイヤイヤ期

この時期は「いうことを聞く」ことが難しくなることがあります。

自我の芽生えで「自分がしたいこと」が強く出る時期なのである程度、自我を出させてあげる、尊重してあげるスタンスも大切になります。

いうことを聞いてあげてから聞いてもらうという流れにするとスムーズになることもあります。

自分の世界観に没入しやすい

自分の世界観でいっぱいで聞いても耳を素通りしてしまうこともあります。

自分の世界観が強いこともそのお子様の長所になりえる事もありますが、一度こちらを向いてもらってから話しかけることで注目しやくなります。

こちらを向けない場合は、近くに行ってお顔をこちらに向けてもらってから話すといいでしょう。

一つの事に集中しやすい特性

世界観と似ていますが、一つの事に過集中できる方はマルチタスクが場合があります。

同時に二つをこなせないので、指示が入りにくくいうことを聞けません。

この場合もこちらに意識を向けてもらって話すことが大切です。

発達障がいなどの特性によるもの

発達障がいなどの特性によるものでも改善はしていきます。

神経はどのお子様でも発達しますので練習次第で指示が聞けるようになります。

この指示を聞く練習はできれば幼児期に特に練習するのがよいとされています。

一度習慣化された学習は基礎の土台として維持されやすくなります。

多動、不注意、自閉、知的障がい、聴覚過敏、いろいろな特性に対応した指示をしていく必要があります。

独特の愛着形成

親子で形成される愛着のなかで「親を困らせたい」「言うことは聞かない」という感覚を持つお子様もいます。

このような特性も変わらないこともありません。

困らせたい理由やいうことを聞かないことのメリットをみていくことで変化が生まれていきます。

知的理解による問題

お子様によっては指示する言葉が多すぎたり、ワーキングメモリー(記憶)の関係で複数の指示が聞けないこともあります。

こちらに意識を向けてくれている状態で

わかりやすい言葉で

一回の指示で伝えることは一つ

伝えることが大切です。

練習として少しずつ複雑にしていくのもいいでしょう。

あまのじゃく特性

性格の特性上、あまのじゃくで言ったことと反対の事をしてしまうお子様もいます。

特性なのでなかなか変化が生まれないこともありますが、違うところで反抗させてあげる場所などを作るとあまのじゃくが減弱することがあります。

ある程度ストレスや我慢していることの影響も一部あることを知っておく必要があります。

相手が嫌がっている反応が好きな特性

この特性もストレスが発散できる場所ができたり、自分が嫌がっていることを減らすことで減ってきたり、相手を喜ばせる楽しみを見つけることで変化が生まれたりします。

人への興味が薄い

人に興味が薄いと、指示にも興味が持てません。

まずは人とかかわって楽しいという経験をして、人への興味を作ることが大切です。

人と楽しい経験ができると、その人の言うことが聞けてくるようになります。

指示されることへの抵抗感

指示され過ぎて、うんざりしたり、抵抗感が強まることがあります。

指示を少なくしたり、メールでやることを伝えるだけにしたり、お子様が自分で動きやすくするための環境整備をしたり、意外とできることは多くあるかもしれません。

心理的リアクタンスの問題

自分の行動や選択を自分で決めたいという人間本来の欲求が犯されると無意識的に抵抗的な反応が起きることをいいます。

誰かに決められたり、強要されるとなぜか抵抗したくなるのはこの働きがあるためです。

「○○したらどうだろうか」といったアドバイスよりも「○○しなさい」という強制、強要に近いものほど、この心理的リアクタンスが働いてしまいます。

心理的リアクタンスはよく起こります。

自分で決めることや自由な雰囲気ももう少し増やせるといいかもしれませんね。

指示よりも自分で決めることに行動の動機が強い

この特性があるお子様はどんどん自分で決めてもらいましょう。

その時にお母さんはこうしてほしい要望があるけどうまく計画立てられる?

など少し相手の要望も踏まえて作れるようになるといいですね。

報酬設定の問題

お家の報酬設定はお家によって本当に違います。

お子様の指示が入りやすい報酬の設定をしているところもあれば、お子様が自由に報酬を得られるため指示を聞かなくてもよい環境のお家もあります。

何を優先的に大切にするかはご家庭の判断ですが、報酬の設定は指示を聞く聞かないに大きな影響を与えます。

よく報酬がないと動けない人間になってほしくない、という考えをお聞きします。

確かにその通りですが、人間は大人でも報酬がなければ仕事をしません。

報酬はそんなに悪いことでもないかもしれません。

もしそれを実現したいならば、報酬で指示を聞けるようになってから、弱い報酬で聞ける、何もなくても聞ける、に少しずつ練習していくとよいでしょう。

しっかり叱る

昭和以前は非常に厳しくしつけに暴力も当たり前の時代でした。

現代では、暴力は虐待になり、怒ることも推奨されていないこともあります。

無意味な怒りを子供にぶつけることは良くないですが、怒ることも大切です。

いつも優しいお母さんが怒ると子供にとって衝撃はありますが、意味のあることだと問題を認識しやすくなります。

うまく叱る、うまく怒ることも大切にしたいですね。

子供への理解が足りない

我が子であってもなかなか理解できないところがあるものです。

子供が何を望んでいるか?

何を不満としているか?

本当はどうしてほしいか?

が理解できてくると対応もどのようにすればいいかが見えていきます。

子供への理解を深めると良い時期もあるでしょう。

言うことが聞けるようになる(指示が聞けるようになる)には何が必要?


言うことを聞く

指示が聞ける

ようになるには何が必要でしょうか?

上記で説明した通り、

まずは人に興味を持つことです。

人に興味を持ったら言葉に意識が向きます。

特にそのお子様が食い入るような関係性を提供できれば指示が驚くほど入ります。

つまらない関係性であれば報酬や理由がないと動かないこともあります。

楽しい関係性が持てるといいですね。

一例で言うとゲーム仕立てる方法があります。

「お風呂入って」というのが難しい場合、

何秒で服がきれいに脱げるかな?

とか

お風呂に使って今日は何秒できるか勝負だ

とか

お母さんとどっちがお風呂先に入るか勝負だ

とか

いろいろ作れます。

最初はこのように楽しみを持って設定してあげると良い場合があります。(昔の考え方からすると甘やかしのように感じますが、時代の変化もあります)

ここから指示を聞いたり、言うことを聞くためには

  • 指示を減らす
  • 自分で決めてもらうことを増やす(自分でスケジューリング)
  • 指示の仕方を変える(相手に伝わりやすく)
  • 今やっていることが終わったら指示を出す
  • 楽しい関係性を作る
  • 報酬の設定を変える
  • ストレスを減らしてあげる
  • 発散させる場所をつくる
  • 愛着形成をする
  • 指示を聞ける成功確率を上げて「できた」感覚を養う
  • 一緒に遊ぶ時間を増やす
  • 叱る・怒ることも利用する
  • 自由な時間も提供する
  • 性格や特性を理解する

なども有効です。

少しずつ指示を聞いて成功体験を増やして、「よくできたね」とたくさん褒めて、これを繰り返していくと習慣化していきます。

子供なので日によって不安定になることもあります。

その不安定さもある程度許容できるといいですね。(これ難しいですが)

療育ではこの「指示が聞ける」ところは非常に重視します。

療育の要の部分ですので関係性を大事にします。

療育でできるようになるとほかの場所でもできることが増えます。

4つの方法から考える「指示が聞けないお子様」への対応


当施設では下記4つの方法から相談されるクライアントに最適な手段を組み合わせて、改善のサポートを行っております。

①カウンセリングによる対応

カウンセリングでは、保護者のサポートとして良く用いられます。

感じるストレスやいらいらする感情などどのようなものでもカウンセラーがお聞きします。

少し気持ちが落ち着いたら

  • 何が理由や原因になっているか
  • どのように要因が絡み合っているか
  • 自分の外の問題と中の問題はそれぞれどうか
  • ストレス処理はできているか
  • お子さまが求めているものは何か

などを一緒に話しながら、指示が聞けない理由の理解を深めます。

理由はひとつだけではなく、複雑に絡み合っていることも多くあります。

それらの原因や要因がわかってきたらそれを解消するように進んでいきます。

ある程度の認知的な成長が進んでいるお子様であれば児童に対するカウンセリングが非常に有効な場合があります。

カウンセラーと信頼関係を作り、自分のうちの気持ちを話し、受容され、解決策を一緒に考えていく、時に一緒に発散することもできる機会はなかなか他では作れないものがあります。

指示が聞きやすい習慣が作れるように一緒に枠組みを考えていくことができます。

②SSTによる対応

SST(ソーシャル・スキル・トレーニング)では、どのようにすれば他者とよい関係を結べるか、その問題や大変さが改善するかを学ぶことができます。ただ学ぶだけでなく、学んだ後は実践形式で体験していきます。

療育の中で、このSSTを活用する場合があります。

自分のやっていることを止めて、相手に注目して、指示を聞くことを実践的に学ぶことができます。

それも理解者であるカウンセラーが行うので安心できる土壌で練習できます。

③ストレスマネジメントによる対応

ストレスマネジメントでは、生きづらい原因となるストレスを特定して、ストレスをできるだけ減らしていきます。またストレスからの回復力が弱いケースでは、それを強めるためのセッションや資源を活用します。捉え方を変えていくことによってストレスの強度が変わったり、発散する方法が増えるとストレス許容量が変化したりします。

負の連鎖になっている思考法を変化させることで、ストレスがたまった時の回復力や脱却の仕方を身につけることができます。

また自分独自の発散方法を見つけて、それを実践していくことでストレス処理を身につけていきます。

④療育的アプローチ

この指示を聞く課題で小学生以下であれば療育が第一選択になります。

  • 人に興味を持つ練習(楽しくて自然に興味を持ちますが)
  • 一緒に遊びながら指示に応える練習
  • 指示を聞くトレーニング
  • 自分の意見を言うトレーニング
  • 我慢や妥協のトレーニング
  • 精神的自立を促すトレーニング
  • 母子分離
  • 愛着形成トレーニング

などを学び、スキル獲得を目指すことができます。

どのような報酬が良いのか、どのような注目と言葉がけが有効かをご家庭へフィードバックさせていただけます、

しらいし先生
しらいし先生

どのアプローチで進めるかは一緒に考えていきましょう。

名古屋こどもカウンセリングとSST教室のご案内


当教室では、直接面談して行う方法と電話やオンラインで行う方法の二つからご相談を承っております。

初回10分無料相談がお電話で行えます。(直接お電話してもらっていいですが、お電話が取れないときもありますのでご了承ください)

これはミスマッチ防止のため、本当に求めているものと合致できるかを判断するものとしてサービスとして行っています。

基本的なご利用料金は「個別セッション(約55分フィードバック含む)6000円」になります。

面談できる場所は2025年4月に開室予定です。

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