「子育てに正解はない」という言葉が作られるほど、
子育ては難しく、
うまくいっていても時期によってはまたうまくいかない、
求めることが多くなったら苦しくなる、
自由を与えすぎるとそれはもう無法地帯。
親が子供の理想を求めて功を奏すこともあれば、重荷となって苦しめてしまうこともあります。
なんとなく試行錯誤しながら一番良い方法を模索している方も多いのではないでしょうか。
近年注目されている「民主的子育て」というキーワードとともにこの記事で考えてみたいと思います。(この記事は学術的内容と一般論、私見を同時に説明しております)
子育てスタイルの研究
子育てスタイルについての研究は、1966年にアメリカの発達心理学者、ダイアナ・バウムリンド博士によって「3つの子育てスタイル」が提唱されました。
その
- 服従型(権威主義的・支配的)
- 寛容型
- 民主型
の3つの子育てスタイルに加えて、1983年マッコービー博士とマーチン博士によって「無関心型」が加えられ、現在では「4つのスタイル」が定番となっています。
民主的な子育てスタイル
この子育てスタイルは、バランス型と呼ばれることもあるように子供の意思も尊重しつつ、話し合いなども行いながら判断していく子育て方法です。
ルールを守ることも、自由を確保することも行っていくのでバランスが良いスタイルになります。
厳しさと優しさ
しつけ(ルール)と自由
などのバランスを考えた子育てです。
親が期待することに対して必要なリソースや精神的サポートも行っていきますので成果が出やすくなります。(協力的な親)
問題が起きた時には自分で考える機会も作りながら、必要に応じて介入や一緒に考えていく手段をとります。
そのため全体的にコミュニケーションは一方的ではなく、双方向的に行われます。
この育て方は、
- 感情のコントロールの上達
- 自分の気持ちを伝えられるなど社交性が高まる
- 社会資源が利用できる
- 自信が持ちやすい
- 信頼関係を作りやすい
- 自立心が育まれやすい
などの良い成長がみられやすくなると言われています。
子供の意見も尊重しながら、話し合うことを大切にする中でもこどもの「なぜ?」と思うところの理由を説明していくことも大切になります。
親が自分に期待している理由はなぜか?
なぜ勉強するのか?
なぜ嫌なことをやらないといけないのか?
など、そのなぜ?の理由がわかると(納得できると)前に進みやすくなるお子さまも多いかもしれません。
服従型(権威主義的・支配的)子育てスタイル
この子育てスタイルは、権威的で支配的に子供に従わせるスタイルで、従ったら報酬、従わない場合は、罰を与える子育てです。
コントロール型と呼ばれることもあります。
ルールや規律を重視するため、軍隊や組織で良く用いられる方法であり、昔はこのような子育てが一般的であったと思います。(昭和はこのスタイルが強かったですね)
この子育てで育ち、その嫌悪感からこの育て方だけはしないようされている方もいますが、悪いことだけではありません。
ルールや規律を守れる力は身についていくからです。
そして優秀な成果や成績を残すことも少なくありません。
しかしその反面、自分の気持ちの表出が難しかったり、ソーシャルスキルの獲得が苦手であったり、いい子過ぎる「過剰適応」になることもあります。
自分で考える機会を作らない場合、自分で考える力が弱くなってしまいます。
怒りや不満をため込む傾向も強くなりがちな子育てスタイルになります。
精神的ダメージが多く、長くつづいた場合、その蓄積により不安感やうつへのリスク、攻撃性なども高くなることがあります。
不信感が続く場合は、権威的・支配的な人への抵抗感が強まることもあります。
しかしながら愛情も与えながら、自分で考える機会も与えながら、このスタイルを軸に子育てして成功しているケースも多くあります。(民主的子育てに取り込んで)
社会は規律やルール、モラルの上で成り立っているのでどうしてもこのスタイル子育ては必要でもあります。
それでもできるだけ自分の意思で守れるようにしていく。
できるだけコントロールを減らしていけるような長期的な視野も必要になるかもしれません。
※このスタイルがピタッと入って動きやすく、精神的ダメージも入りにくいタイプのお子さまもいるのでその特性面との相性もあることがあります。
寛容型の子育てスタイル
こころの時代と言われている、言われていた?現代に増えてきた子育てスタイルです。
- 子供の意思を尊重する
- 子供の気持ちに寄り添う
- 口出しはできなるだけ少なくする
- 嫌ならばやめればいい
- 好きなようにさせてあげる
「こどもはこどもらしく」という考えで、親と子というよりお友達のような関係になることが多いスタイルです。
のびのび育ってほしい
という希望を叶えてくれるものです。
おこさまにうまく適合するとのびのび育ってくれるのですが、気を付けないといけない場合もあります。
特に
子供を苦しめたくない(つらい思いをしてほしくない)
子供に嫌われたくない
という気持ちが強すぎる場合になります。
この子育てスタイルに偏りすぎると、
- 先回りして問題回避や解決することで自分で対応する力が育たない
- ぐずればやらなくてよいが習慣化して、ぐずりやすくなる
- 子供がいつの間にか親を支配してしまう
- ひきこもりや外に適応しにくくなる(親といるときが楽園のため)
- 我慢や適応が難しくなる
- 外や嫌なことのストレスを強く感じてしまう
- 社交性が育たない
- 学校や勉強、めんどくさいことに意味や意義を持ちにくい
などの影響が出ることがあります。
しかしながら多くの子育てでお子さまに寄り添う気持ちも大切になるのですべてはバランスになるかなと思います。
ルールの守り方や要求の応え方など、どのように教えていくかが重要になっていきます。
とても慎重にバランスを気を付けないといけない難しさを持つのがこのスタイルになります。
※この育て方が適合して、自分で判断できていく、とても良い状態になる方もいるので特性と併せて考えることも大切です。
無関心・放任の子育てスタイル
子供や子育てに興味がなく、無関心に子育てをするスタイルです。
この無関心によって、自分のことは自分ですることが身に付きうまくいくケースもあれば、関心を欲しがり不適切な行動に出てしまうケースもあります。
親が自分のことで精一杯であったり、自分のことで頭がいっぱいのケースもあれば、放任主義で育ち、同じように育てているケースもあります。
子供が自分でやることにより成長してほしいと期待していることもあれば、関心がない場合もあります。
うまく適合すると自分のことは自分でするといった責任感や主体性を強めることができますが、
- 自己肯定感や自己有用感が薄くなる
- 感情表現が苦手
- 人に興味が持てない
- 社会性が育ちにくい(社交不安)
- 信頼関係が作りにくい
といったネガティブな影響が出ることもあります。
※人によってはこの育て方がうまく合って、成長につながっていく方もいます。
どれが良いか?も大事ですが、どのバランスで?も大事
どれが最も良いか?
この疑問は私たちが一番好む問いです。
科学的には「民主的子育て」が多くの方に良いスタイルとされています。
厳しく育てればいいか?
優しくしたほうがいいか?
という論争は民主的な子育ては必要ありません。
どちらも必要で包括していきます。
ルールもあれば自由度もある。
なぜそうすべきかの説明もある。
何かあれば話し合いができる。
こういったバランスが評価され、ゴールドスタンダードと呼ばれることもあるそうです。
さて4つの育て方を説明してきましたが、メリットもあればデメリットもあります。
ですのでどれが正解か?という問いもありますが、
自分とわが子、家族の特性を見ながら
その4つをバランスよく、
子育てに活かしていくことが大切なのかもしれません。
また愛情のある放任主義と愛情の感じない放任主義では伝わり方に違いがあるかもしれません。
そういった意味での愛情や肯定的なまなざしなどの影響もあるでしょう。
イヤイヤ期や反抗期、自立心の強い時期、など時期によっても少しそのバランスを動かしていくほうが動きやすくなることもあるかもしれません。
固定的というより流動的なものであるものかもしれませんね。
なにより人がベースなので「お互いのその時」を理解しながら、柔軟に行っていけるといいですね。
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