こんにちは、名古屋こどもカウンセリングとSST教室のしらいしです。
自分自身が「何もやる気がしない」と感じたり、保護者が「子供が無気力になってきて心配」と感じる方に向けて、その問題に対応するカウンセリングやSSTについて書いていきたいと思います。
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無気力とはどのような状態か?
- 燃え尽きてしまった
- やる気が出ない
- 意欲がなくなってきた
- 感情がなくなってきた
- 関心がなくなってきた
- 頑張れなくなってきた
このようにさまざまな気力がなくなってくるのが「無気力(apathy)」になります。
行動を起こすやる気をなくしてしまうので行動がうまくできなくなります。
それが一時的な現象であればいいのですが、長期的に続いたり、その減退が強くなってきている場合にはなにかしらの対応をしなければなりません。
無気力症候群とうつ病、学習性無力感の違い
無気力症候群ではある対象のみやる気がでず、無気力になりますが、その対象以外の遊びや興味のあることにはやる気があり、気力を持ちます。
うつ病では一つだけではなくあらゆることにやる気が出ず、無気力になる傾向があります。
「学習性無力感」では、努力をしてもうまくいかないと「何をしても無駄だ」と感じるようになり、頑張る努力を諦めてしまいます。
このようにその背景やどのような傾向があるかで違いが分かりやすくなります。
やる気がでない無気力の原因と理由
やる気が出ない無気力になった原因や理由にはどのようなものがあるでしょうか?
- 頑張りすぎた
- 燃え尽きた
- 自分を押し殺して真面目に人の言うことを聞き過ぎた
- 目標を見失った
- 友達がいなくなった(喧嘩した)
- 合わない場所への適応が苦しくなった
- 目標を達成したら無気力になった
- 完璧主義で疲れた
- うまくできないことが続いて
- 自分や人が信じられなくなって
- 人間関係がうまく関われない
- 大きな失敗があって
- たくさん傷ついて
- たくさん落ち込んで
- 頑張ってもうまくいかない
- 勉強がついていけなくて
- 宿題がつら過ぎて
- なんでやらないとわからないから
- ゲームやYOUTUBEの中毒性で
- いじめや嫌がらせで
- 非行
- 精神的な甘え
- 家庭環境や家族の問題で
- やりたくないことが許容範囲を超えている
- ストレスがたまりすぎている
- 発達障害や愛着障害の影響
- あきらめやすい性格
などの原因や理由があります。
自分やお子様の原因や影響があるものはあるでしょうか?
この無気力から徐々にやる気が出て動けるようになってくるといいのですが、変わらない、もしくは悪化して不登校になるケースもあります。
小中学生では約25%、高校生では約30%の子供が無気力を理由に不登校になっているといわれています。
不登校につながりやすいので「無気力」を感じたら、お子様が感じているようなら何かしら家族の中で考えていく必要があります。
性格的特徴による影響
目標を達成した、達成できなかった、大きな失敗をした、失敗が多すぎるなど出来事による無気力もありますが、多くの場合、性格的な特徴も影響します。
- 「なんて自分はダメなんだ」と感じやすい
- 「やっても無駄だ」とあきらめやすい
- 「自分はできない」と思いやすい
- 「自分は劣っている」と思いやすい
- ネガティブに捉えやすい
- 落ち込みやすい
- 落ち込んだら回復が遅い
- トラウマになりやすい
- 傷つきやすい
- 自分を責めやすい
- 頑張りすぎてしまう
- 自分を押し殺してしまう
- 真面目過ぎる
- 完璧主義すぎる
- 社交的にできない(人とうまく関われない)
など自分の性格的特徴が影響します。
これらの部分はまったく「変わらない性格」か?といわれると少し異なります。
大人の方はわかると思いますが、性格の中にも変わるものと変わらないものがあります。
自分のとらえ方が変わったり、自己理解が進んだり、経験値を得る中で変化していくものが実に多くあります。
カウンセリングの中で話しながら理解し、実際に活用していく中で変化が生まれてきます。
3つの方法から考える「やる気が出ない無気力」への対応
当施設では下記3つの方法から相談されるクライアントに最適な手段を組み合わせて、改善のサポートを行っております。
うまく対応していかないとますますやる気がなくなってしまうことがあります。
とてもデリケートな時期ですので注意深く的確に行う必要性があります。
子供さんができない場合、保護者の方が受けられ、理解と対応を学ぶこともできます。
①カウンセリングによる対応
まずは信頼関係が構築できるような関りからスタートします。
カウンセリングでは、お子様や保護者さまと話す中で、苦しい気持ちが癒えたり、問題の重要な原因やポイントが明らかになっていきます。
会話だけでその問題がクリアできるものであればそのまま進んでいきますが、トレーニングや環境設定などが必要であればそちらへ移っていきます。
自分の性格やとらえ方などもこのカウンセリングを通して学びなおすことができます。
カウンセリングでは当人が理解される経験ができる方法ですのでおそらく対応の中心になってくると思います。愛着特性のある場合は、また特別な対応が必要です。
無気力になった理由は人それぞれです。保護者の方からお聞きしたり、お子様からお聞きしてそれを明確にしていきます。
それをどのようにすればいいのか、そこに付随する想いや気持ちを解消する方法、新しい行動の動機や目標、傷口の回復など様々な方向からその方に合った方法で進めていきます。
②SSTによる対応
SST(ソーシャル・スキル・トレーニング)では、どのようにすれば他者とよい関係を結べるか、その問題や大変さが改善するかを学ぶことができます。ただ学ぶだけでなく、学んだ後は実践形式で体験していきます。
無気力の場合であれば、このSSTによる対応は後半になるかもしれません。
最初はカウンセリングが向いていることが多くあります。
無気力に影響のあった自分のソーシャルスキルで足りていないところを学び、習得することができます。
③ストレスマネジメントによる対応
ストレスマネジメントでは、生きづらい原因となるストレスを特定して、ストレスをできるだけ減らしていきます。またストレスからの回復力が弱いケースでは、それを強めるためのセッションや資源を活用します。捉え方を変えていくことによってストレスの強度が変わったり、発散する方法が増えるとストレス許容量が変化したりします。
やる気が出ない無気力になった理由に捉え方や回復力が影響していたらその部分を強化できるように学習と練習を行うことができます。
どのアプローチで進めるかは話しながら一緒に決めていきましょう!
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