こんにちは、名古屋こどもカウンセリングとSST教室のしらいしです。
「朝なかなかすぐに起きられない」と悩んだり、保護者が「子供が朝起きが大変そうで心配」と感じる方に向けて、その問題に対応するカウンセリングやSSTについて書いていきたいと思います。
※かんじがよめないおこさまやおんせいでききたいばあいは、こちらのぶんしょうをクリックしてください。(音声読み上げ案内)
朝が苦手でうまく起きられない
- 朝が苦手
- 朝起きるのが大変
- なかなか起きられない
- 目覚ましが聞こえなくて
- うまく起きられなくていらいらする
- 目覚めが悪くて学校を休みたくなる
このように朝起きることに対して苦手な方がいます。
朝に強い人もいれば、夜型で朝に弱い方もいます。
以前であればそういった言い方でしたが、現在では「クロノタイプ」という言葉を使いはじめています。
ある医学的な調査では、
①強い朝方のクロノタイプ8.4%
②朝方のクロノタイプ22.7%
③中間型のクロノタイプ41%
④夜型のクロノタイプ22%
⑤強い夜型のクロノタイプ5.9%
といった割合で人によってタイプが異なることが分かってきています。
ほかの遺伝的要素と同じく約5割くらいは親と似たタイプを引き継ぐようです。
ここで重要なのは、そういったタイプの体質があることだけではなく、
小学生までは「朝方」傾向が強くなり、10代後半以降には「夜型」へとシフトしやすい傾向があるということです。
前まで朝起きれていたのになかなか起きれなくなってきた中学生や高校生、大学生なんかはこういった影響もあるかもしれません。
実は自分の朝方か、夜型かをセルフチェックするものが国立精神生理研究部より配布されています。
下の「回答はこちら」のこちらの部分に載せておりますのでセルフチェックしたい方はご利用ください。
朝型夜型質問紙
あなたの朝型夜型傾向を判定します。回答はこちら。
[引用文献]石原金由, 宮下彰夫, 犬上牧, 福田一彦, 山崎勝男, 宮田洋. (1986). 日本語版朝型-夜型(Morningness-Eveningness)質問紙による調査結果. 心理学研究. 57: p87-91.
ちなみに私の結果はこちらです。(若い頃はおそらく夜型判定もあったかもしれません)
学校生活は「朝型」向きに作られており、海外の学校では睡眠不足を解消するために授業を遅らせる学校もあるようです。
朝うまく起きられない理由と原因
先ほど紹介したクロノタイプの問題もありますが、他にも
- 夜型の生活習慣になれてしまっている
- ストレスが多い
- 自律神経が乱れている
- 学校へ行きたくない
- 起立性調節障害
- 愛着形成の問題
- 人間関係の問題
- 変化が強い(入学、新しいクラス、発表しないといけない)
- 無気力や疲労感
- ゲームやYOUTUBEなどの影響
などがあります。
1.夜型の生活習慣になれてしまっている
夜遅く寝る習慣によってその習慣が身に沁みつき、夜眠くなるような体内パターンが出来上がってしまいます。
この場合は、それを少しずつ前倒しにしていくことで朝方に近いパターンを作ることができます。
2.ストレスが多い
ストレスが多く、自律神経を乱したり、ホルモンのバランスを崩すことで朝起きれないことが起きます。
当教室でも行っているカウンセリングやストレスマネジメントを行い、対処法を習得できるといいですね。
3.自律神経が乱れている
自律神経を乱す原因や要因を明らかにすることが大切です。
それがわかったらその原因を解消するために動くことですが、わかりにくい場合もあります。
ストレス処理や身体リラクゼーションなどで副交感神経などの安らぎを体に再学習させていくことも有用な場合があります。
4.学校へ行きたくない
学校へ行きたくない理由をまずはあらためて出していきます。
そのうえで修正できること、外部と連携しないとうまく調節することも必要になる場合があります。
また自分のこころのうちを話し、そこに向き合っていくカウンセリング的なアプローチが有効です。
自分が生きていくうえで今の学校だけがそれをかなえるものでもないかもしれません。
広い視野で見たときにほかの学校やフリースクールでも実現できることもあるかもしれません。
そういった柔軟さも必要になる場合もあれば、今の学校で頑張ることで得られるものもあります。
5.起立性調節障害
病院で診察を受け、治療を進めていくことが大切です。
以下の症状が3つ以上あることで診断されることがあります。
- 立ちくらみやめまいを起こしやすい
- 持続的に立っていると気分が悪くなり、ひどくなると倒れる
- 入浴時や嫌なことを見聞きしたときに気分が悪くなる
- 少し動くと動悸や息切れがする
- 朝なかなか起きられず、午前中調子が悪い
- 顔色が青白い
- 食欲不振
- へその周囲にときどき痛みがある
- 倦怠感がある、あるいは疲れやすい
- 頭痛
- 乗り物に酔いやすい
※これに血液検査や脳波測定など検査も行ってほかの病気ではないかを鑑別して診断されるのが一般的です。
薬での治療というよりは、
- 運動をして筋肉をつける(日常の活動量をしっかりとる)
- 水分と塩分をしっかりとる
- 栄養バランスを考える
- ストレスを減らす(精神状態を安定させる)
- 昼間に横にならない
- 寝る時間を少しずつ前倒しにする
などの行動によって改善していくことを推奨されているケースが多くあります。
しかし負の循環になって重いケースでは入院を余儀なくされる場合もあります。
6.愛着形成の問題
- お母さんや家族と離れたくない
- 学校や園に安心する場所がつくれない
- 家が安心
- 家から離れると不安
そういった気持ちが強い場合も学校に行きたい気持ちが育たず、体もそれに反応することがあります。
自分の中の安心感を増やし、安心できる場所を増やしていくことも大切な方がいます。
7.人間関係の問題
人間関係の問題で学校に行くのがおっくうになったりすることで朝がうまく起きられないことが起きてしまいます。
人間関係のコツをカウンセリングやSSTなどで学ぶ機会を作れるといいですね。
8.変化が強い(入学、新しいクラス、発表しないといけない)
時期によって変化が著しい時があります。
そういったときはストレスの負荷が強くなりやすいので登校しづらかったり、いきしぶりがでることがあります。
それに身体が呼応してしまうことがあります。
9.無気力や疲労感
無気力などでうつうつとしてしまうことや寝ても疲れが取れない時には注意が必要です。
こういった場合は病院やクリニックで見てもらうことも大切です。
必要に応じてカウンセリングなどでその問題に向き合うことで変化が生まれます。
ゲームやYOUTUBEのやりすぎ
現代は脳を気持ちよくさせるゲームやYOUTUBEなどの動画などが一般的なものになってきています。
中毒性もあるのでなかなかやめられないことも少なくありません。
「おやすみ」といったあとも親に隠れてこっそりやってしまい、朝起きられない、という状態を繰り返す方もいます。
その場合、ルールや環境設定なども重要になりますし、中毒性を学ぶことも大切になります。
4つの方法から考える「朝起きられない」ことへの対応
当施設では下記4つの方法から相談されるクライアントに最適な手段を組み合わせて、改善のサポートを行っております。
①カウンセリングによる対応
カウンセリングでは、まずは苦しい気持ちをお聞きしながらも
- 何が朝起きられないことの理由や原因になっているか
- なぜそれがしたいのか
- ストレスの溜まっている感覚はどうか
- 今後はどうしたいのか
などを聞き取りながら、起きられない理由について理解を深めます。
理由はひとつだけではなく、複雑に絡み合っていることも多くあります。
それらの原因や要因がわかってきたらそれを解消するように進んでいきます。
しかしわかっていてもそれをやめることができない、といった現象が出てくることも多くあります。
その場合は、その気持ちをうまく扱いながら、スモールステップで少しずつ変化を促していきます。
ストレスが溜まっている場合は、それが発散できるようにセッションを進めていきます。
自分の本音を伝えられない方もカウンセリングであれば少しずつ出せるようになることもあります。
保護者の方で同じ悩みを持たれている場合は、一緒に取り組むこともできます。
②SSTによる対応
SST(ソーシャル・スキル・トレーニング)では、どのようにすれば他者とよい関係を結べるか、その問題や大変さが改善するかを学ぶことができます。ただ学ぶだけでなく、学んだ後は実践形式で体験していきます。
お友達との関係性で問題を抱える場合では、このSSTを活用する場合があります。
どのようにかかわればいいかを実践的に学ぶことができます。
③ストレスマネジメントによる対応
ストレスマネジメントでは、生きづらい原因となるストレスを特定して、ストレスをできるだけ減らしていきます。またストレスからの回復力が弱いケースでは、それを強めるためのセッションや資源を活用します。捉え方を変えていくことによってストレスの強度が変わったり、発散する方法が増えるとストレス許容量が変化したりします。
負の連鎖になっている思考法を変化させることで、ストレスがたまった時の回復力や脱却の仕方を身につけることができます。
④身体的アプローチ
硬直しやすい身体や緊張しやすい身体である場合、その硬さがなかなか改善しない場合もあります。
その場合、身体的なアプローチが有効な場合があります。
力が抜けるリラックス状態を思い出す、リラックスできる状態を日常に作ることを促すことができます。
身体が防衛反射で硬直していたり、防衛反射が強い場合も少しずつ解除していくことで昔のような柔らかい身体へ変化をもたらすことができます。
自律神経系が安定してくると日常の行動のしやすさや睡眠へ良い影響をもたらしてくれます。
心理面と身体面の両面で行えると相乗効果が見込めます。
どのアプローチで進めるかは一緒に考えていきましょう。
名古屋こどもカウンセリングとSST教室のご案内
当教室では、直接面談して行う方法と電話やオンラインで行う方法の二つからご相談を承っております。
初回10分無料相談がお電話で行えます。(直接お電話してもらっていいですが、お電話が取れないときもありますのでご了承ください)
これはミスマッチ防止のため、本当に求めているものと合致できるかを判断するものとしてサービスとして行っています。
基本的なご利用料金は「個別セッション(約55分フィードバック含む)6000円」になります。
面談できる場所は2025年4月に開室予定です。
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