こんにちは、名古屋こどもカウンセリングとSST教室のしらいしです。
「ゲームがやめられなくて困っている」と感じる方に向けて、その問題に対応するカウンセリングやSSTについて書いていきたいと思います。
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ゲームがやめられない
ゲーム依存は、アルコールや薬物の依存と同じように「脳への快感刺激」による依存になります。
物質系の依存ではなく、ギャンブルなどと同じように行動系の依存です。
やると楽しくなる、気持ち良くさせてくれる要素のあるゲームが特にはまりやすくなります。
子供だけでなく、大人にもこのゲーム依存が起きており、コロナ禍では「約1.6倍に増えた」とニュースになるほどでした。
世界中で増えてきていることから2018年WHOが「ゲーム障害」と認定しました。
日本では少なくとも100万人以上の人たちにゲーム障害があるといわれています。
アルコール依存症でも治療に来る人は20人に1人くらいですので、ゲーム依存などで困っている方で治療が必要な方も多いのではないでしょうか。
そのゲーム障害は、
①ゲーム(ネット)に関する行動(頻度、開始・終了時間、内容など)がコントロールできない
②ゲーム(ネット)優先の生活となり、それ以外の楽しみや日常行う責任のあることに使う時間が減る
③ゲーム(ネット)により個人、家族、社会、教育、職業やそのほかの重要な機能分野において著しい問題を引き起こしているにもかかわらずゲームがやめられない
このような様子が12ヶ月以上続いている状態のことをさします。
ゲームがやめられないことによって
- 親の言うことが聞けない(ごはんの時にご飯が食べられない)
- お風呂や食事がとれないことがある
- 睡眠時間に変化が出る(就寝が遅い、睡眠時間を削る)
- 眼精疲労や目へのダメージ
- 課金をしてしまう
- 使用を制限されて暴言・暴力が増えた
- 宿題ややるべきことができなくなってきている
- 嘘をついてまでやってしまう
- 1日4~5時間を無駄にしてしまう(週30時間)
- ほかのやるべきこと、やってみたいことがなくなる
- 習い事をやめてしまう
- 勉強のやる気がなくなってしまう
- 学校や園にいきたがらない
- 不登校・不登園
- 家族関係がぎくしゃくする
などいろいろな問題が起きてきます。
なぜゲームがやめられないか?
快楽を感じるドーパミンという神経伝達物質が脳内に分泌されて快楽や喜びを感じます。
この快感や快楽がなくなると「脳」は欲します。
- 退屈だと感じやすくなる
- 不安感がでる
- 枯渇感を感じる
- 焦りを感じる
- はやくやりたい、またやりたいと欲する気持ちが強くなる
などを感じます。
わかってはいるけどまたやってしまう。
「頭ではわかっているけど。。。」といいますが、もしかすると「心ではわかっているけど、頭がやってしまう」ということかもしれませんね。
ちなみに気持ちよくさせるゲームをやり続けると脳の神経回路が「薬物依存やアルコール依存」と同じような変化が出てくるらしいです。
これは結構怖いことですよね。
また長くゲームに依存している人は、ドーパミンの受容体が減るそうです。
これは快感や快楽を感じにくくなるということです。
そして依存度がより増していきます。
他にやらないといけないとわかっていてもなかなか抜け出せないケースが増えてきています。
こんなに脳の快感が得られるようなものにあふれた時代はないと思います。
その時代に生きる難しさでもありますが、この時代を生きていくうえではゲームやネットに依存しない学びが必要になりますね。
ADHDとゲーム依存
ADHDには多動や不注意、衝動性が特性としてあります。
これらの特性がゲームを依存させることを強く強化してしまう場合があります。
幼いころにやると長くゲームに没入してしまうデータもあるようです。
またゲームによってADHD症状が強くなってしまうこともあるようです。
お薬での治療もあるようですが、心理的なサポートや環境設定も重要になります。
ADHDでなくてもギャンブルなどに依存傾向が強い特性もあります。
そういった場合もゲームがなかなかやめられなくなることを強めてしまいます。
ゲームがやめられないことに対する親のストレス
子供がなかなかゲームをやめることができなくて困っている親がたくさんいます。
- 何度言っても聞かなくて凄くストレスを感じる
- イライラしたり、怒れてくる
- 心配で仕方ない
- 指摘すると暴力的になるから怖いし、委縮してしまう
- 将来どうなるのか不安と心配が入り混じる
- どう対応したらいいかわからない
このように強いストレスがかかったり、それが長期にわたることも少なくありません。
学業の不振で始まっているケースでは、少し尊重しながら実力をつけていくことが大切とされています。
人生の優先度は、ゲームが一位であれば、二位以下にしていくことです。
またこの脳の報酬系をご理解いただけるとわかるようにその責任を全て「自己責任」にしてしまうと危険です。
時代的な責任、ゲーム制作側の責任もあると思います。
脳の報酬系の話は理解できる環境を整えてあげることも大切になるかもしれません。
これらが難しいケースもありますのでその場合は、ご相談ください。
4つの方法から考える「ゲームがやめられない(ゲーム依存)」ことへの対応
当施設では下記4つの方法から相談されるクライアントに最適な手段を組み合わせて、改善のサポートを行っております。
①カウンセリングによる対応
カウンセリングでは、最初に保護者の方とセッションすることが多いですが、一緒に行ったり、子供さんだけで行う場合もあります。
その時に一番良い方法を選ばないと問題をこじらせてしまいます。
まずは苦しい気持ちをお聞きしながらも
- 何がゲームを依存させているか
- 本当はどういう気持ちでやっているか
- 特性的な難しさ
などを聞き取りながら、ゲーム依存の仕組みも伝えていきます。
「それが理由でこんなに依存していたんだ」と理解につなげていきます。
少しずつはがれてきたものがあれば、未来の話や将来やりたいことなどから今につなげていきます。
ゲームとの適切な関りについても学ぶことが大切です。
そして練習して、ちょうどよいところを維持させていきます。
保護者の方にもその心労をお聞きし、少しでもそれが軽くなるようにしていきます。
そのうえで、
- どのように対応すればいいか
- どのような環境設定が必要か
- どのようなスモールステップを用意するべきか
- どのような仕組みを用意するか
などを一緒に考えていきます。
脳の報酬系は変化します。
神経可塑性(しんけいかそせい)といいます。
少し時間入りますが、少しずつやっていくことが良いでしょう。
②SSTによる対応
SST(ソーシャル・スキル・トレーニング)では、どのようにすれば他者とよい関係を結べるか、その問題や大変さが改善するかを学ぶことができます。ただ学ぶだけでなく、学んだ後は実践形式で体験していきます。
このケースでは、なかなかSST的な対応は出番がないですが、人との付き合いがうまくいかない、うまく関われないことが起因していたらその技術を学ぶことができます。
③ストレスマネジメントによる対応
ストレスマネジメントでは、生きづらい原因となるストレスを特定して、ストレスをできるだけ減らしていきます。またストレスからの回復力が弱いケースでは、それを強めるためのセッションや資源を活用します。捉え方を変えていくことによってストレスの強度が変わったり、発散する方法が増えるとストレス許容量が変化したりします。
負の連鎖になっている思考法を変化させることで、ストレスがたまった時の回復力や脱却の仕方を身につけることができます。
④療育による対応
なかなか療育を行う場面で少ないですが、学ぶことの楽しさを感じられるような療育が有効なお子さんもいます。
カウンセリング的な手順も入り、SST的な行動療法も伴い、そのお子様にあった提示を考えていきます。
名古屋こどもカウンセリングとSST教室のご案内
当教室では、直接面談して行う方法と電話やオンラインで行う方法の二つからご相談を承っております。
初回10分無料相談がお電話で行えます。(直接お電話してもらっていいですが、お電話が取れないときもありますのでご了承ください)
これはミスマッチ防止のため、本当に求めているものと合致できるかを判断するものとしてサービスとして行っています。
基本的なご利用料金は「個別セッション(約55分フィードバック含む)6000円」になります。
面談できる場所は2025年4月に開室予定です。
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