この記事では、

「嫌なことは避ける」

「やろうとしない」

といったこどもの行動への理解が進んでいきますように情報を提供しています。

※かんじがよめないおこさまやおんせいでききたいばあいは、こちらのぶんしょうをクリックしてください。(音声読み上げ案内)

※セッションのご案内は最後にあります。(面談できる場所は名古屋市ですが、お電話やオンライン通話で全国や海外からもご依頼いただいております。)

嫌なことを避けたり、やらないといけないことをやらないのはなぜ?


現代の子どもは昔の子どもより“嫌なことを避けるようになった”

と証明する世界的な研究結果は、現時点ではありません。

しかし

  • 挑戦への意欲やマインド
  • 学校への参加感
  • 困難な課題への積極性
  • 心理的な不快感への耐性

などについて、近年特に問題になっている現象は確かにあります。

それは単純に「子どもの忍耐力が低下した」という影響もある程度あるかもしれませんが、

  • 忍耐力をあまり使わない暮らし
  • 補助やサポートがあること
  • 権利や人権、心理的な理解
  • 遊びの変化
  • 社会的安定・物質的豊かさ
  • 個性や多様性の発達

などが進んできたことも影響しているかもしれません。

そして

楽して脳の報酬系を刺激する遊び(スマホ・ゲームなど)の発展などの影響も示唆されています。

ずっと先の未来に良いことがあるからといって

今の苦労を理解しようとしても

楽して報酬を得られる遊びの今との比較によって非常にデメリットが強調されてしまったり、

即時報酬の方がメリットを感じやすくなることも影響している可能性があります。

昭和以前は物理的な不足により、「将来○○になって腹いっぱいご飯を食べる」「親孝行したい」

といった生きがいや生きる目的を持ちやすい時代がありました。

現代ではそのような動機付けが見えにくくなる傾向も影響しているかもしれません。

また失敗やうまくできないことへ不安や恐怖を感じる子供たちも増えてきています。

失敗やうまくできないことによって強い負の感情を感じ、

それを回避するために行動しにくくなっているケースも増えてきています。

子どもによって異なりますが、

不快に対する不快感覚が昔の人間より強く感じているお子さんも多くいらっしゃるかもしれません。

どんなことを避けている?やらないの?


難しい問題をやらない「学習回避」

失敗を避ける「挑戦回避」

嫌な気持ちを避ける「不快感覚回避」

間違えることを避ける「失敗回避」

人との関りを避ける「社会的回避」

めんどうで疲れることを避ける「努力回避」

などがあります。

最近の子供たちは、

「めんどう(めんどくさい)」

「疲れた」

という言葉をよく使うことがあります。

大人の方が子供だった時に普通にしていたことが

「めんどー」

「やりたくない」

「なんでやる必要あるん?」

「疲れた」

といった反応を見せる子供に

何とも言えない心理状態になる方も少なくないかもしれません。

時代的にはできるだけ

コスパ(できるだけ費用に対する効果がよいほうがいい)

タイパ(できるだけ時間に対する効果がよいほうがいい)

メンパ(できるだけ精神負担が少なく効果がよいほうがいい)

を考える流れにはなってきています。

なので必然的な進み方なのかもしれませんが、自分の将来をつぶしてしまうような回避は避けさせてあげたい

というお声は保護者の方から良くお聞きします。

科学的にはAIやロボットなどの開発も進んできていますが、

将来の仕事に従事することを考えればある程度の忍耐や行動力も必要になります。

思春期になると学校への参加が低下する傾向


2026年に発表された非常に大規模なメタ分析があります。(125研究、223回の反復測定、544個の効果量を統合した研究です。対象は10~18歳。)

結果は、

思春期を通して学校へのエンゲージメントが全般的に低下する

というものでした。

  • 行動的参加
  • 感情的参加
  • 認知的参加
  • 学習への参加

のいずれも低下する傾向がありました。

特に、

10代前半

そして

小学校→中学校などの学校移行

で低下が大きくなっています。

「思春期になると、昔から子どもは学校への積極性が落ちやすい」

という現象がある程度あるということです。

自我が出る時期、

思春期

はみんな一緒ではありません。

そんな時期は反抗心ややりたくなかった本音が前に出てしまうこともあります。

うまく理解しながら進めていくべき大切な時期があります。

行動分析から考える「回避」


「算数が難しい」

↓

「嫌だ、めんどくさい」

↓

「やらない」

↓

「嫌な気持ちがなくなる」

↓

一時的に楽になる

↓

こころが楽になることに成功

↓

また回避したくなる

このような回避行動の循環が起きやすくなります。

子供の脳は大人よりも

長期的なメリットを考えにくく

自己制御をする前頭葉の発達途中であることもあって

この悪循環に入りやすくなることがあります。

長期的にやった方がいいとわかっていても

できないということが起きやすくなってしまいます。

子どもは大人と比べると、

将来の利益よりも「今つらい」「今やりたくない」

という感覚に行動が左右されやすいことがあります。

感情を調整したり、

行動を抑制したり、

先の結果を考えて行動したりする力は

成長の中で少しずつ発達していきます。

「不確実なことに耐えられない」という問題も注目されている


最近の子どもの心理研究では、「不確実なことに耐えられない」という問題も注目されています。

「どうなるかわからない」

といった不確実なことに対して

ストレスを感じたり、

不安を感じたり、

することがあります。

「やってみたら失敗するかもしれない」

↓

不安になる

↓

やらない

↓

不安が下がる

↓

「やらなくてよかった」

↓

次も「やらない」という方法を選びやすくなる

こういう流れで

やらないという安心と解放された快感覚が

次の回避行動を作り続けてしまうこともあります。

「やってみたらできるかもしれない」

よりも

「失敗するかもしれないからやらない」

を選びやすくなるということです。

こういった不確実性に関することで難しくなることもあるかもしれないということです。

脳疲労や脳の誤作動とも関係している?


感情コントロールの司令塔である脳の前頭前野は

日常のストレスや情報処理によってエネルギーを消費します。

心理学者ロイ・バウマイスター(Roy Baumeister)らが提唱する

自我消耗モデルでは、前頭前野のエネルギーが枯渇すると、

タスクを始めるために必要な「実行機能」や意志力が著しく低下することを指摘しています。

情報の量は江戸時代の何万倍?

といった紹介もされていますが、

SNSやショート動画などのデジタルメディアによる情報過多は、

脳の認知資源を著しく消費させる可能性も研究されています。

習い事の多さ、情報処理の多さ、

交感神経が切れない(休息のスイッチが入りにくい)

いろいろな時代的な難しさもあるかもしれません。

脳が疲弊すると、防御反応として行動開始のハードルを極端に上げるため、

「めんどくさい」というシグナルを出します。

脳を休ませるために「余白」を作り、ぼーっとする時間や十分な睡眠を確保する

そんな対応も現代では重要かもしれませんね。

また

嫌なこと=危険

という脳の判定の誤認によって

脅威ストレスとして認識している可能性もあるという研究もあります。

実際にカウンセリングを行っていると年代や個性によって

脅威ストレスの範囲が

大きく異なっていることも少なくありません。

これは非常に重要な理解になることがあります。

親からするとたいしたことではないのに

そんなに不安や恐怖が出るなんて

といったことはこういうことも関係しているかもしれません。

この脅威ストレス判定に対しては心理カウンセリングやトラウマケアなどの方法で

改善していくことも多くあります。

すべてこどものせいなのか?


いままで

子どものせいにしていたけど

どうやら

今は今で難しさがあるのか、

といった理解があることで

親子ともに進みやすくなることも増えるかもしれません。

そもそもそんなに責任や責める思いが必要なのか?

責めたり、責任を感じることが目的ではなく

動きやすくなることが目的だったのでは?

と感じることがおおくあるのもこの問題ならではかもしれません。

この記事を読むことによって、どれくらいのバランスがちょうどよいのかを考えるいい機会になれば幸いです。

当カウンセリングや療育でできる事


当カウンセリングや療育でできる事として

回避の原因によってアプローチの方法は変わっていきます。

失敗する、うまくいかない時の不快感が減れば楽になるお子さんがいます

その不快感の扱い方がうまくできれば楽になるお子さんがいます

そもそも失敗のイメージやうまくいかないことの意味付けが変わると楽になるお子さんがいます

失敗やうまくいかなくても大丈夫という心理的安全性が高まるとうまくいくお子さんがいます

挑戦することと自分のメリットがつながると動きやすくなるお子さんがいます

何をやっても自分はうまくできないと思ってしまう学習性無力感をやっつけるとうまくいくお子さんがいます

自信や自己効力感、肯定感がついてくるとやる気が出るお子さんがいます

やる気がでてくるとうまくいくお子さんがいます

やる気に頼らずにやる方法がうまく使えてうまくいくお子さんもいます

人生の意味や頑張る意味がわかったときからうまく進み始めるお子さんがいます

ご両親やお友達との関係性が改善されることでうまくいくお子さんがいます

自分なりの勉強方法や学びやすい記憶方法が見つかればうまくいくお子さんもいます

悩みが解決改善していくとうまくいくお子さんもいます

やるべきこととやらないでいいことがうまくわかるとうまくいくお子さんもいます

いろんなお子さんがいて

いろんな方法があります。

そのお子さんにとって何が必要か?

周囲はどんな理解をして

どんな声掛けをするのか?

どんな環境調整が必要か?

もちろんお子さんの

「どうしていきたいか?」

「どうなりたいか?」

も大切です。

ご相談いただければ自然と進む方向が見えてくることも多くあります。

やり方ひとつ

理解の仕方一つで

うまく進んでいけることもあります。

この機会がお子さんとご家族にとって良い機会になるように。

この機会に次の一歩を進めたい場合はご連絡ください

愛知県や名古屋市でこどもの「嫌なことは避ける・やろうとしない」ことへの相談は


直接面談して行う方法と電話やオンラインで行う方法の二つからご相談を承っております。

初回10分無料相談がお電話で行えます。(直接お電話してもらっていいですが、お電話が取れないときもありますのでご了承ください)

これはミスマッチ防止のため、本当に求めているものと合致できるかを判断するものとしてサービスとして行っています。

基本的なご利用料金は「個別セッション(約55分フィードバック含む)6000円」になります。

面談できる場所は、

〒466‐0856
名古屋市昭和区川名町6丁目26の1 加和奈ハイツ 2階
建物前に無料駐車場1台有り
地下鉄鶴舞線 川名駅徒歩6分

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    参考文献

    『子ども脳疲労 不機嫌・ダラダラの原因は「脳の疲れ」だった』(成田奈緒子 著)

    Baumeister, R. F., Bratslavsky, E., Muraven, M., & Tice, D. M. (1998). Ego depletion: Is the active self a limited resource? Journal of Personality and Social Psychology, 74(5), 1252–1265. (自我消耗理論に関するロイ・バウマイスターらの基礎研究。思考や意志決定によって脳の認知資源が消費されるメカニズムを示した論文です。)

    LeDoux, J. E. (2000). Emotion circuits in the brain. Annual Review of Neuroscience, 23(1), 155-184. (脳の扁桃体と感情・恐怖反応に関するジョセフ・ルドゥーの研究。ストレス下における闘争・逃走反応や回避行動の神経基盤を解説しています。)

    Goffman, E. (1959). The Presentation of Self in Everyday Life. Anchor Books. / Edward E. Jones & Steven Berglas (1978). Control of attributions about the self through self-handicapping strategies. Journal of Personality and Social Psychology. (セルフ・ハンディキャッピング戦略に関する社会的心理学の文献。失敗の脅威から自尊心を守るための自己防衛メカニズムについて記述されています。)

    文部科学省「児童生徒の学習習慣・生活習慣等に関する調査」および国立成育医療研究センター「コロナ禍における子どもと保護者の生活・ストレス調査」 (現代の小中学生における生活習慣の変化、デジタル端末の使用時間、慢性的な疲労感やストレス傾向に関する国内統計データ。)