こんにちは、名古屋こどもカウンセリングとSST教室のしらいしです。
保護者が「子供が席に座れなくて心配」と感じる方に向けて、その問題に対応する療育やSSTなどについて書いていきたいと思います。
※かんじがよめないおこさまやおんせいでききたいばあいは、こちらのぶんしょうをクリックしてください。(音声読み上げ案内)
席にすわれなくて心配になる
自分の子が席座れないと今後の学生生活や未来を心配に思うのも仕方ありません。
今の現代社会は「着席」は基本的スキルの一つですから、できて当たり前であったります。
そこでつまづくと心配になるものです。
障がいや特性などで座れないお子様でもしっかりとした療育やソーシャルスキルトレーニング(以下SST)で練習していくとできるようになっていきます。
できるだけ習慣的なスキルになりやすい幼児や小学校低学年までそういった機会を設けてください。(当教室でも行っています)
席にすわれない理由と原因
幼児や小学校低学年などでよくみられるお悩みです。
- 多動傾向の強いADHDのお子様
- 自分の世界観の強いASDのお子様
- 知的理解がしにくい知的障がいのお子様
- 体幹や感覚過敏で座れないお子様
- 席に座ることを知らない、座る意味を知らないお子様
- 反抗的な態度で座れないお子様
などのお子様がなかなか席に座れないことがあります。
また聴覚過敏のように集団の声に圧倒されてしまう場合も席に着きにくかったり、教室の中に入る難しさを抱える場合があります。
多動傾向の強いADHDのお子様
多動傾向の強い子供は、すぐに動きたくなります。
園や学校で着席すると暇で仕方ありません。
刺激がなさ過ぎて離席してしまいます。
「ここで待っておいてください」という指示もただ待つという刺激のなさから脱走したりすることもあります。
気になったものにルールを忘れて、走っていくのも特徴です。
そのお子様自体の多動傾向への改善と同時に一時的な刺激物を持つことも対策になります。
つまらない刺激的ではない時に待つ力や別の刺激で我慢する、そういったところからはじめていきます。
自分の世界観の強いASDのお子様
自分の世界観が強いASD(自閉症スペクトラム)などの障がいでも席につけないことがあります。
今置かれている立場やルールよりも自分の世界観や気になってしまうことが優先されてしまいます。
自分の世界観を他者に理解してもらい、折り合いをつける練習から始めることが大切です。
知的理解がしにくい知的障がいのお子様
知的に理解ができなければ、席に座ることも意味もなかなかわかりません。
自然界にはもともと「席(椅子)」などありません。
座る理由は社会的な意味しかありません。
知的に理解できないから座れないか?というとそれも違います。(障がいの程度もありますが)
私自身、練習を重ねて座れるようになった知的障がいの方も多く見ています。
幼児のころの習慣は大人になっても保持されやすくなります。
早い頃から練習を重ねれば身につけられますし、誘導が上手な指導員に手伝ってもらうと習得が成功しやすくなります。
体幹や感覚過敏で座れないお子様
感覚が過敏で椅子の感覚が苦手な方もいます。
クッションを置くと座りやすくなる場合もあります。
また体幹が育っていない、姿勢を保持しにくいお子様も席に座ると姿勢が悪かったり、離席したりすることへつながってしまいます。
体幹トレーニングや感覚過敏調整トレーニングを行っていきます。
席に座ることを知らない、座る意味を知らないお子様
席に座ることを知らなければなかなか座れません。
席に座る練習が必要になります。
座る意味を知らななければなかなか座れません。
座る意味を学ぶ機会を作ります。
言葉の理解が難しければ、すわったらいいことがある(報酬)を提供して感覚的に理解を促します。
反抗的な態度で座れないお子様
- 先生に反抗したくて(注目がほしくて)
- 友達にアピールしたくて(笑ってくれるから)
- 真面目にやることに抵抗したい
- ふざけたい
- 嫌だから
- 体幹的に難しい
などの理由で反抗的な態度をとってしまうお子様もいます。
それは、
- 嫌だからか
- つまらないからか(興味を持てない)
- 注目が欲しいのか
- 壊すのが好きなのか
- うまくできないのが嫌だからか
- 愛着に問題を抱えているのか
- 逃げたいからか
- 体の問題か
など裏の要因を知る必要性があります。
その目的を理解したうえで支援にあたります。
的確なアプローチが見つけると徐々に変化していきます。
遅くても大丈夫ですが、早ければ早いほどいいです。
癖になってしまう?
行動は繰り返すうちに「その行動を起こしやすくなる」という学習を行ってしまいます。
神経系からするとその行動が使いやすくなります。
そのため離席や着席しないことが癖になってしまうのです。
ただそういった癖のついたお子様を再び座る練習をたくさんしたことがありますが、ふたたび着席できるようになります。
また着席が習慣的にフィットしてくると療育以外でも着席しやすくなります。
連携して練習の機会を設けられるといいですね。
4つの方法から考える「席(椅子)に座れない」ことへの対応
当施設では下記4つの方法から相談されるクライアントに最適な手段を組み合わせて、改善のサポートを行っております。
①カウンセリングによる対応
カウンセリングでは、保護者さまと話す中で、苦しい気持ちが癒えたり、問題の重要な原因やポイントが明らかになっていきます。
お子様ではある程度の認知機能があって反抗的に行っているお子様の場合は、カウンセリングが適応できます。
なぜ反抗的になっているかを聞き取り、理解し、一緒にどうすればいいかを考えていきます。
席(椅子)に座れない理由などが分かってから実際のトレーニングや環境設定などへ移っていきます。
特に必要なければカウンセリングは行いません。
②SSTによる対応
SST(ソーシャル・スキル・トレーニング)では、どのようにすれば他者とよい関係を結べるか、その問題や大変さが改善するかを学ぶことができます。ただ学ぶだけでなく、学んだ後は実践形式で体験していきます。人数がそろえば集団でも行うことができますし、外部環境に出て練習することもできます。
対人関係や集団への慣れが問題の原因になっている場合は、ソーシャルスキルを学ぶことで改善していきます。
そのお子様のどこに難しさを感じているかを一緒に見ていきます。
③ストレスマネジメントによる対応
ストレスマネジメントでは、生きづらい原因となるストレスを特定して、ストレスをできるだけ減らしていきます。またストレスからの回復力が弱いケースでは、それを強めるためのセッションや資源を活用します。捉え方を変えていくことによってストレスの強度が変わったり、発散する方法が増えるとストレス許容量が変化したりします。
うまくストレスを発散できていない、うまく自分の気持ちを処理できていないことによって「席(椅子)に座れない」ことがつながっている場合はストレスマネジメントも必要でしょう。
④療育による対応
幼児などの療育では、席(椅子)に座れない理由を理解し、必要に応じて
- 席に座る練習
- 席で楽しく遊ぶ練習
- 行動制御トレーニング
- 受け流す妥協トレーニングを
- 切り替え練習
- 体幹トレーニング
- 感覚統合トレーニング
などそれに付随するスキルに関して改善するように課題を設定していきます。
発達でうまく成長できていない身体や認知機能にアプローチしていきます。
どのアプローチで進めるかは話しながら一緒に決めていきましょう!
名古屋こどもカウンセリングとSST教室のご案内
当教室では、直接面談して行う方法と電話やオンラインで行う方法の二つからご相談を承っております。
※離席する、席に座れない場合のオンラインは非常に難しいことが多くあります。報酬の設定などにもよりますが、難しい場合は、対面が基本になります。
初回10分無料相談がお電話で行えます。(直接お電話してもらっていいですが、お電話が取れないときもありますのでご了承ください)
これはミスマッチ防止のため、本当に求めているものと合致できるかを判断するものとしてサービスとして行っています。
基本的なご利用料金は「個別セッション(約55分フィードバック含む)6000円」になります。
面談できる場所は2025年4月に開室予定です。
お問い合わせ
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基本的には、メールでの返信になりますが、直近のご予約やメールでの送信や返信が来なかった場合にお電話でご連絡させていただく場合がございます。
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