何かあると子供がイライラする。。。

すぐ怒ってしまう。。。

怒ると問題行動になる。。。

癇癪に発展しやすい。。。

わたし(お母さんも)イライラしてしまう。。。。

イライラしやすかったり、怒りやすい性格的な特性をお持ちのこどもさんもいれば、ストレスが溜まって状態として発現しやすくなっているこどもさんもいます。

こどもさん本人も自分の感情のコントロールや制御が大変ですし、周囲も、ご家族も大変になることがあります。

その特性や状態にはどのような原因や要因が関係しているのか?

どのような対処法があるのか?

どのような改善方法があるのか?

などについてこの記事で説明していきたいと思います。

イライラしやすい(怒りやすい)原因や要因


イライラしやすくなる(怒りやすくなる)原因や要因はいろいろな複合的理由が重なっていることが多くあります。

脳の発達の影響

行動を計画する、先の事を考える、行動を制御する、感情コントロールに深く関係するのが脳の「前頭前野」になります。

アメリカ国立精神衛生研究所のGogtayら(2004)の研究によると、脳は後頭部から頭頂部、前頭部といったように後ろから発達することが明らかになりました。

前頭前野の発達が完成するのは20~30代といわれており、10代までは「先を見る力が弱く、制御やコントロールがまだ未熟な状況で生きている」ということになります。

やってはいけないことがわかっていてもやってしまう、のはこのためです。

個人差もありますが、経験や使い方によっても脳の発達に影響します。

特に若い頃は吸収できることも多く、使えば使うほど使いやすくなる神経可塑性(しんけいかそせい)の影響も強くなります。

ソーシャルスキルを学び、繰り返し使っていくと自然にできるようになるのはそのためです。

感情や認知、心の処理の影響

脳の発達と同じように

  • 感情の理解
  • 気持ちの扱い方
  • 認知的な処理の仕方
  • 感情や気持ちの変換やコントロール

などに難しさを感じることがこども時代には多くあります。

それはスキルを身につけていない、知らないということもありますが、脳の発達の影響もうけます。

遺伝や特性

遺伝によってイライラのしやすさ、怒りやすさの影響を受けることもあれば、受けないこともあります。

また特異的な影響で「特性」を持つ場合もあります。

「自分や他者に対する攻撃性」や「怒りにつながるスイッチが多い」なども人によって異なり、イライラや怒りやすさに影響を与えます。

性格は変わらないという言葉が信じられていることもありますが、自らが改善を望み、適切に対処改善を継続することで変化はでていきます。

それは遺伝子スイッチのオンオフや神経可塑性などの原理の影響になるかと思われます。

ストレスや環境の影響

こどもにとってストレスを感じやすい人間関係があると非常に強い影響を受けます。

嫌な言葉を言われた、手を出された、暴言を吐かれた、いじわるされた、

うまく処理できるものもあるかもしれませんが、そのストレスが強かったり、慢性的であれば、子供のストレスの許容量がパンパンになり、怒りやすくなったり、イライラしやすくなったりします。

ストレスや疲れが溜まったり、空腹、睡眠不足になるとイライラしやすかったり、怒りやすくなることがあります。

またリラックスや力が抜けないことによる自律神経の影響でそのような感情が強くなることもあります。(副交感神経がうまく使えない)

環境の変化が多い春や長期休暇後なども通常よりも多くストレスを感じやすく、感情が強く出ることがあります。

ソーシャルスキルやコーピングスキルの問題

ストレスが溜まっても、保持しやすければ感情があふれたり、爆発したりすることにつながってしまいます。

そのためストレスの対処法(コーピング)が大切になります。

  • 寝て解消する
  • 忘れる
  • 妥協やあきらめを行う
  • 許す
  • 相手に伝えたいことを伝える
  • 先生や親に話す
  • 改善するための解決策を考える
  • 遊ぶ
  • 気晴らしをする
  • 心理的なテクニックを使って解消する
  • 運動で汗を流して解消する
  • 紙に書く
  • 意味づけをする
  • 気づきに変える

など様々な方法があります。

またソーシャルスキルも備わってくるとストレスを感じにくくなったり、対処しやすくなります。

  1. ルール理解・遵守スキル(ルールを理解して守る)
  2. 役割遂行スキル(役割を理解して実行できる)
  3. 状況理解スキル(状況を理解して、その場に合った適切な行動を行う)
  4. 聞き取りスキル(相手に注目して話を理解する)
  5. 表現スキル(このパートは奥が深く、突き詰めると誰でもより豊かにできる)
  6. 質問・回答スキル(会話のやり取りやキャッチボール)
  7. 話し合いスキル(意見開示・討論・結論をグループで出す)
  8. 会話スキル(相手の要望を加味した会話)
  9. 表現認知スキル(表情の読み取り)
  10. ジェスチャースキル(ジェスチャーを読み取る、活用する)
  11. 身体感覚スキル(相手の動きに合わせる)
  12. 自己感情理解スキル(じぶんのきもちを理解する、感情の言語化)
  13. 他者感情理解スキル(相手のきもちを理解する、自分だったらという仮定)
  14. 共感スキル(相手の気持ちを感じる、尊重する)
  15. 自己認知スキル(自分という人間のさまざまな理解)
  16. 他者認知スキル(相手の好みや嫌いなこと、関心に注目できる)
  17. 自己‐他者認知スキル(相手と自分の共通点や相違点の理解)

成長することで

  • 努力自体の楽しさを感じれるようなる
  • いろいろなことに気付けたり、客観視ができるようになる
  • 報酬を先延ばしできる「満足の遅延」の獲得する

ことによって、また感情的な成長を促してくれます。

時代的な影響

便利な時代になり、昔より「簡単に」「楽(らく)」に生活できるようになりました。

その分、めんどくさいと感じることが増えてきているといわれています。

要するにちょっとしたことがストレスと感じやすい時代といえるかもしれません。

⇒一日一度はきついことをやってやりきる達成感を味わうと良いという考えがあります。

また子供たちが大好きなゲームやYOUTUBEなどの動画などは、苦労なく脳の報酬系を刺激して気持ち良い感覚を味わえる最新の娯楽になっています。

とても楽しく、刺激的な遊びではありますが、途中でやめる事が難しくなったり、その中毒性のようなもので怒りの感情がでやすくなることも増えてきています。

このような遊びの進化による影響も受けていると言えます。

自我の発達(反抗期)

こどもには、親の言うことを聞いて行動する時期を進み、自分の意見やしたいことを強く感じれるようになる時期があります。

強く感じるので我慢や衝動性とともに怒りやイライラする気持ちもこの時期に増えてきます。

反抗期と呼ばれる時期もそのようになっているところがあると思います。

少し反抗期用の許容や理解を周囲の方が持てていると進みやすくなるかもしれません。

上手な怒り方(伝え方)を知らない

怒っていること

イライラしていること

をどれくらい理解しているでしょうか?

その理由を見つけられるでしょうか?

見つけられたらどうすればいいでしょうか?

誰かに伝えるべきことも多くあると思います。

「僕は、わたしはこれが嫌だったんだ!!」

「本当はこうしてほしかったんだ。」

「ねえねえ聞いてもらっていい?」

言葉で伝えられるように練習していけるといいですね。

食べ物と栄養素

最新の栄養学では、

  • タンパク質が少ない
  • 糖質が多い
  • 亜鉛などミネラル不足
  • ビタミン不足
  • 一度にたくさん食べる

などの影響により、怒りやすくなったり、イライラしやすくなることがわかってきているようです。

バランスの良い食事と糖質の多い食事やジュースの調整などできることはあるでしょう。

ただ栄養素に関しては少し工夫がいる時があります。(こちらの教室でも説明しています)

欲求不足の問題

  • 思い通りにしたい
  • 負けたくない、失敗したくない
  • もっとかまってほしい(注目が欲しい、ほめてほしい、聞いてほしい)
  • 満たされない、安心できない
  • 自分が支配したい(制したい、優位に立ちたい)
  • 愛情や友情がうまく感じられなかったり、不足している
  • 外では大変なんだ!!とお母さんにぶつけたくなる
  • 妹や弟ができてから!!!!!!!!

このように欲求が不足していたり、欲求が高すぎたりすることによって怒りやイライラを感じやすくなることがあります。

カウンセリングや家族との関りなどで適切な欲求や充足感を得られると感じにくくなったりします。

怒りやすい、イライラしやすい時の対処法


原因や要因についてみてきましたが、そこから考えられる対処法は非常に多岐にわたります。

  1. 脳の発達から考えると適切な行動や対処法をたくさん経験して身につける
  2. 感情の理解、気持ちの扱い方、認知的な処理の仕方、感情や気持ちの変換やコントロールを学ぶ
  3. 自分の特性を理解して、うまく認める(自分のせいにし過ぎると受け入れられないケースに良い方法があります)
  4. ストレスや環境の影響のどれが影響しているかを探し、対処する、減らす
  5. ソーシャルスキルやコーピングスキルを学ぶ、習得する
  6. 時代や娯楽の変化の影響を理解する(大切ですが、伝え方が難しいことがあります)
  7. 反抗期や自我の発達の理解
  8. 怒り方や伝え方を学ぶ
  9. 食べ物や栄養素
  10. 運動や行動
  11. どんな欲求不満を抱えているかを知り、対処する
  12. うまくいっているポイントに気付き、うまく活用する(落ち着いている日は○○だから、、)
  13. 怒りやすくなる、イライラするこどもに周囲は理解を示す

こどもは周囲が自分の事を理解してくれると安心したり、欲求不満が改善されることが多くあります。

すべて対処できないとしてもひとつずつ丁寧に進めていくことで、変化が少しずつ生まれてくることも少なくありません。

お母さんや保護者のみなさまも毎日大変ですので「実現可能なちょっとしたこと」から進めていきましょう。

名古屋こどもカウンセリングとSST教室でできること


上記の13の対処法について一緒に考えていくことができます。

カウンセリングでは、何が影響しているかお子さんやご家族と一緒に気付き、改善できるように心理テクニックを使ってアプローチしていきます。

ただ解消するだけでなく、心の成長が促されるような形で改善できると、そのストレスに徐々に対応できるようになっていきます。

心の奥深くにはとても大切な欲求不満を抱えている場合もあります。

ご家族と一緒にそれを解消していくこともあります。

こちらでは「身体アプローチ」を行っております。

それには

  • 発達的な身体アプローチ(感覚器調整)
  • 自律神経アプローチ
  • 整体的アプローチ

があります。

怒りやすい身体というものも存在すると思っています。

体がゆるみ、力が抜け、自律神経が安定しやすくすることで怒りやイライラの改善に役立ちます。

ソーシャルスキルやコーピングスキルもそのお子さんや家族にマッチしたものを一緒に考えていきます。

スキルが増えれば増えるほど対応できるものが増えていきます。

とくに怒りやイライラが出た時の対処法とそれに至らないための対処法などに分けて学ぶことも大事にしています。

多くのこどもさんが一番難しいのが「認める」という作業です。

その土台を作るためには個性に応じた工夫がいります。

そのあたりのデリケートな関りも特殊キャラやイラストなども用いて柔軟に対応しております。

それでも一番大事なことは「そのお子さんを理解する」ということに尽きます。

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